2009年12月19日土曜日
新川を歩く
カミサンを、優良運転講習会場のいわき市保健福祉センターに送り届けた。ペーパードライバーで、身分証明書の代わりに免許証を更新している。当然、無事故無違反だ。受講時間は30分。家に帰ったらすぐ迎えに戻らなくてはならない。ばかばかしいので、センター前の新川を歩いて時間をつぶした。
新川は湯の岳に発し、内郷・平の市街地を東に流れ、白鳥たちが羽を休めている平・塩地内の対岸で夏井川に合流する。河川改修が行われ、親水化が図られた。が、大水のたびに土砂が堆積し、ヨシが繁茂して、流れが狭められた。
河川敷に遊歩道が設けられている。岸辺は枯れヨシで覆われ、ところどころ流れが見えない。“どぶ川”は再生しつつあるのだろうか。水が透き通っていた。水深はざっと30~50センチ。岸辺に近づくと、枯れヨシをついたてにしていたカルガモが逃げ、コガモが飛び立った。ダイサギが下流からやって来た=写真。アオサギも現れた。
ところどころにサケの死骸が見られる。下流の夏井川にサケのやな場がある。大水が出ると水没する。そのとき、やなを越えてさかのぼり、支流の新川へ迷い込んだのが力尽きたのだ。
毎日の夏井川の散歩では、海から川へ帰って来てさらに上流を目指すサケの姿を想像する。上流の新川では、これがちょっと違った。産卵場所までたどり着いて息絶えた、そんなサケのイメージが浮かんだ。水底は石や砂利のない砂泥、産卵には適していない。が、ともかくもサケは自分の一生の最終章を、人間に遮られることなく完遂することができたのだ。
内郷の新川を歩いたのは初めてだった。遊歩道には大水の置土産のごみや泥が見られたが、思ったよりは歩きやすかった。現に複数の人が遊歩道を歩いていた。手近な散歩コースとして住民からは利用されているのだろう。
河川景観とはしてはあまりほめられたものではない。が、川の流れがここまで透明になってきたのだから、もっともっと住民がごみを拾ったり、枯れヨシを焼き払ったりすれば(やっていたらごめんなさい)、新川自身が活力を取り戻すのではないか――そんな感想を抱いた。
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