2009年12月22日火曜日

冬至の朝


きょう(12月22日)は冬至。静かな朝を迎えた。きのうのいわき民報「健康歳時記」にユズ湯の話が載っていた。「ユズ」は「融通」、「冬至」は「湯治」のごろ合わせになっている――ほんとかいなと思いながらも、面白かった。まさか去年と同じ文章は書けないから、記事を配信する通信社も苦労しているのだ。

で、一番昼の短い日だ。9月に北欧を旅行した。夏には「白夜」になるところがある。冬は逆に「黒昼」になるところもあるに違いない。そんなことが頭に浮かんだ。

日本では、というより週末に私が過ごす夏井川渓谷では、尾根から太陽が顔を出すのは午前9時、尾根に沈むのは午後3時。スウェーデンの首都ストックホルムの、真冬の日照時間と変わりがない。ただし、こちらは谷間だからすぐ暗くなるわけではない。日が翳って寒くなるだけだ。

おとといの朝10時前、無量庵に着いたら、やっと尾根から少し下が朝日に照らされていた=写真。わが無量庵は一番谷に近いところにある。そんな場所だから、畑の土は、5センチほどは凍っている。霜柱も立つ。週末、急に寒波がやって来たせいもある。

北欧はメキシコ湾暖流のおかげで緯度の割にはそれほど寒くない、南から北へではなく、西から東へ、つまり海岸部から内陸部へ向かうほど寒くなる、のだという、ノルウェーの第二の都市・ベルゲンの地形・気候を思えば、そのことがたちまち了解できる。

ノルウェーの山の向こう、東の国のストックホルムはどうか。ここは、夏は札幌より少し涼しく、冬は少し暖かい。やはりメキシコ湾暖流の影響を受けているのだろう。

ただし、ストックホルムのずっと北、北極圏の都市キルナというところは、夏は白夜の代わりに冬はほぼ1カ月間、太陽が拝めないそうだ。12月8日、日の出・日の入りまでの昼はざっと19分。1週間後の15日から年明けの元日は太陽が姿を見せない。その1週間後の1月8日になって、昼はやっと1時間37分になる。

朝からユズ湯、もいい。が、遠い国の「黒昼」にも思いを致すと、太陽のありがたさが倍加する。そんな気持ちにさせられる「一陽来復」の日だ。

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