2011年4月24日日曜日

堤防も緩む?


「よし、行くぞ」。このごろは、気合をかけてから散歩に出る。「屋内退避」ではないが、しばらく散歩を控えた。足の筋肉がなえてきたのがわかる。これではいけない。夕方、帽子をかぶり、気休めのマスクをして、いつものコースを歩く。

あちこちに大地震の爪痕がみられる。屋根にブルーシートとそれを押さえる重しのかかった家が目立つ。

国道6号沿い。経営者が浪江町の住人である輸入家具店は、「震災で完全閉店をすることにした。5月1~10日に最後のお礼のセールをする」といった内容の紙をシャッターに張りだした。

店がやられたのではない。家がやられた、あるいは原発が追い打ちをかけた――そういうことに違いない。どこに避難しているのだろう。浪江はあらかた「警戒区域」に入った。法的に立ち入りが禁止された。これほどの理不尽さがあるだろうか。

わが家の近所にはアパートが散在する。アパートにトラックが横付けされているときがある。地域から出ていく人と、入ってくる人と。長い間空き家だったところもふさがった。入ってくる人が多いようだ。震災・津波で家を失い、原発事故で家を追われた人たちは、基本的に行政が手を差し伸べる。それを待てずに移住しなければならない人たちなのかもしれない。

国道を渡って夏井川の堤防に出る。数日前、堤防で今年最初のツバメを見た。散歩を休んでいたせいもあるが、今年は初認がずれこんだ。厳冬だった。春の足音がなかなか聞こえなかった。桜前線も、ツバメ前線も、それで遅れたのだと思う。

キジもようやく河川敷で「ケン、ケーン」と鳴きだした。不思議なことに、ウグイスはさえずりが遠い。河川敷ではまだ2~3回しか聞いていない。

堤防の上=天端(てんぱ)=はアスファルトで舗装されている。この路面とのり面の間に隙間ができた=写真。路面は至る所で亀裂が入っている。「3・11」でゆすられ、ひび割れ、緩んだのだろう。砂が噴き出したとみられる隙間もある。「蟻の一穴」にならないだろうか。未明にまでおよんだきのう(4月23日)の雨でまた緩んだのではないか。

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