2011年4月22日金曜日
二ツ箭山
「3・11」ではなく、「4・11」の震度6弱はいわき市南部で起きた。「井戸沢断層」が動いた。専門家には周知の断層かもしれないが、いわき市民である私は、この断層があることを初めて知った。家がグラッときたうえ、地割れが走った田人町に住んでいる知人がいる。彼女もたぶん、「井戸沢断層」については知らなかったろう。
専門家ではないから、私の書くことはどこかで間違っているかもしれない。そのへんは割り引いて読んでほしい。「東北地方太平洋沖地震」はM9という巨大地震だった。巨大なだけに大きな余震が続いている。「4・11」はそれに誘発された内陸部の大きな地震だった。
余震がある。誘発地震がある。なんだか太平洋沖の地底と内陸の地底で激しい殴り合いが起きて、あごの骨が粉々になっているような印象を受ける。粉々になった一つひとつが大きな地震を引き起こす。「井戸沢断層」の地震は、その痕跡が地表まで現れた。地割れがすごい。
「井戸沢断層」はいわきの南部、鮫川流域にある。太平洋沖と向き合ったかたちでいえば、顔の右にアッパーカットを受けたようなもの。地底での「殴り合い」はそれだけに収まるまい。いわきの北部、「左あご」の夏井川流域には「二ツ箭断層」(小川町)がある。
二ツ箭山は、岩盤が露出している。向かって左が男体山、右が女体山。「3・11」の本震で女体山の南壁の一部が剥落した。剥落部分は赤茶けている=写真。
詩人の草野天平(心平の弟)はふるさとの山について「周囲の山は遠からず近からず、北側は北画系の様な嶮しい山で、南側は南画風の恰度大和の様な穏かな眺めです。人はこの南側の方の景色を見た時、那須へ来た様だと云ひます」と書いた。
北画系の険しい山が二ツ箭山だ。断層の南側は沈降し、北側は隆起する。それで「嶮しい山」になった。
女体山の岩石の剥落だけでおさまればいい。断層が動かないか。動けば田人同様、小川あたりが大変な目に遭う。
M9は、いわゆる巨大技術システムの原発でも「想定外」だった。自然に対するおごり以外のなにものでもない。余震、誘発地震の違いはどうでもいい。いわき南部で起きたら北部でも起きる――平近辺の住民として直下型地震を警戒しないではいられない。
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