2012年3月16日金曜日

カモシカの話


いわき地域学會の若い仲間がわが家に来て話しているうちに出た話題。いわきの平地にニホンカモシカが現れたという。場所は草野小絹谷分校の近くの集落、市街地に程近い田園地帯だ。仲間を介して写真(芳賀利典さん撮影)の提供を受けた。

写真のデータを見ると、撮影したのは昨年12月3日。カモシカが芳賀さんの家の裏山に現れ、じっとこちらを見ているところをパチリとやった。ざっと3カ月半前の出現だから、今はどこへいることやら。

ニホンカモシカは国の特別天然記念物だ。低山地から亜高山にかけての落葉広葉樹林や混交林に生息するという。いわきにはいない。が、数年に一度、はぐれカモシカが目撃されて新聞の話題になる。平の奥山、閼伽井嶽にも現れ、ニュースになった記憶がある。ずいぶん前のことだが。

19年前の平成5年には、地域学會の別の仲間が川前町下桶売地内の路上で2頭のシカを目撃した。阿武隈高地からはシカが姿を消して久しい。野生のシカだとしたら、どこからやって来たのか。確か、福島市の養鹿場から中国産の梅花鹿が脱走したというニュースがあったばかり。私は、脱走シカではないかと思ったが、もとより確証はない。

夏井川渓谷の集落には晩秋、はぐれザルがカキの実を食べていたという目撃談が残る。その奥の奥、溪谷の両側、川前、三和では以前、ツキノワグマの足跡を見たなどという目撃情報が飛び交った。

阿武隈高地の大型動物はイノシシと思い定めていたが、クマについても意識のすみっこにおかないといけなくなった。阿武隈高地は、奥羽山脈とは阿武隈川で隔てられている。なにか川を越えて阿武隈の山に移ってくるような環境変化が起きているのだろうか。カモシカだってそちらの住人のはず。

なにはともあれ、山の神さまが阿武隈高地の舌先ともいうべき平地の丘陵にカモシカを使わしたのだ。

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