2016年2月2日火曜日

ライトセーバー

 平日の夕方、父親に連れられて小2と年長組の孫がやって来た。1時間半ほどあずかった。「ライトセーバーが欲しいなぁ」「なんだ、それ?」。カミサンが「光る剣?」というと「そう」。「スターウォーズ」に出てくる「セーバー(サーベル)」のことだった。チャンバラも日本刀ではなく、サーベルでということなのだろう。
「欲しい」からすぐ「よし」とはならない。ノートパソコンを開いてライトセーバーを検索する。両側に孫が陣取って「もっと上」「もっと下」「グリーンが好き、見せて」と細かく指示する。おもちゃにしては結構な値段ではないか。「欲しいなぁ」「欲しいなぁ」を繰り返すが、買ってやる理由が見当たらない。誕生日はまだ先だ。お年玉はあげたばかりだ。

 孫もそのへんは承知しているらしく、買ってもらえないとわかると、「剣士」になって跳んだりはねたりを始めた。下の子はグリーンのストレッチチューブをぶんぶん振り回して「ライトセーバー」を持ったつもりになっている=写真。「敵」は「ハゲジジイ」と「クソババア」だ。カミサンにしかられながらも、悪口は収まらない。

 そのうち、カウチにあった雑誌の表紙を見て「だれ、この人?」と聞くから、「ババア」と答えたら、下の子が「ジイジが初めて『ババア』って言った」と大喜びした。いや、「わーりんだ、わーりんだ」といったニュアンスではやしたてた。

 お前さんたちの年には――私も悪口が大好きだった。息子たちもそうだった。年齢に「つ」のつく子どもは、悪口を言ったり言われたりしながら成長する。たしか、詩人の川崎洋(1930~2004年)は「悪口は子どもが強くなるためのスパイス」とかなんとか言ってたな。一生悪口を言い続ける人間はいないのだから、さっさと悪口遊びをくぐり抜けることだ。

 さて、翌日。パソコンを開けると、検索画面やフェイスブックの画面にグリーンのライトセーバーの広告が張り付いていた。なんだ、このあざとさは! ときどき言葉を見聞きする「検索連動型広告」というやつらしい。ありがた迷惑でもある。

 すると、すると――エロな検索のあとにはエロな広告が登場する、というわけか。カミサンにもパソコンを見せるので、変な広告が張り付いていると、そちら方面の映像を「見たな」と勘繰られる。そのへんは要注意だ。

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