2016年2月7日日曜日

台湾南部地震

 1年前のきょう(2月7日)は朝、台北市から新幹線を利用して台中市へ行き、南東の山中にある湖「日月潭」を訪ねた。そこで昼食を摂ったあと、再び新幹線で高雄市へ移動した。平地から山中の観光地へとマイクロバスで駆け上がる途中、ガイド氏が1999年9月21日の大地震の話をした。各所で山が崩れ、日月潭の寺も損壊した。寺はその後、日本などからの義援金で復旧した。
 中国や韓国と同じく、台湾も「農暦」(陰暦)で「春節」(旧正月)を祝う。農暦では、きょうが大みそか、あしたが元日だ。月遅れ盆と正月には、日本でも「民族大移動」が行われる。台湾も春節の前後に、人間が都会と田舎の間を大移動する。1年前の拙ブログの文章を抜粋する。
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 台湾中部を襲った「921大地震」は、日月潭の西のふもとにある濁水渓という川沿いの町・集集付近が震源地だった。2400人余が亡くなり、建物約8万棟が倒壊したという。周辺の山々は崩れてはげ山になった。まだその傷跡が残っていた。日月潭の観光名所、玄奘寺と文武廟は、15年たった今は修復している。

 台湾は小さな島なのに、南北にのびる山脈は玉山(日本統治時代は新高山=ニイタカヤマ=3952メートル)をはじめ、3000メートル以上の山だけでも166座ある。そのワケは、大陸側のユーラシアプレートと海側のフィリピン海プレートがせめぎ合って隆起してできた陸地だから、らしい。こんにゃくを両側から押すと真ん中が盛り上がる。それと同じだ。

「921大地震」の際には、日本からいち早く救援隊が駆けつけた。義援金も群を抜いていたそうだ。その恩義に報いようと、台湾からは東日本大震災時、200億円という巨額の義援金が寄せられた。
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 台湾南部できのう(2月6日未明)、大きな地震が発生した。震源地は丘陵地帯の高雄市美濃区。西方40キロほどの台南市で16階建てマンションなどが倒壊した。朝・昼・晩と家を出たり入ったりしながら、ネット経由で台湾のテレビ局(電視新聞台)のライブを見続けた=写真。

 当初、マンションの高さを17階とするメディアもあった。ストリートビューで確かめたら、1階は店、それを含めても16階だった。そのビルが、大木が根元から折れるように倒壊して大通りをふさいだ。なぜ築21年と古くもない建物が倒壊したのか。手抜き工事や設計ミスを指摘する報道もある。

 地震のときの映像を見ると、東日本大震災のときのいわきと似ている。モノが落下する。水がこぼれる。立っていられない。あのとき、茶の間から庭に飛び出すと、地面が波打ち、電信柱がぐらぐら揺れていた。それが間断なく続いた。震源地付近では震度6から5の間だったろう。震災見舞いと犠牲者への哀悼の意を、いわきから。

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