2008年7月10日木曜日

飛んだのは「左七」?「さくら」?


夕方、家へ帰ったのはいいが、まだ昼の熱気が外にこもっている。日没時間を測りながら、ふだんより40分前後遅れて、6時半ごろ散歩へ出かけた。

夏井川(平中神谷)の堤防に着くか着かないころ、「コーコー」と鳴きながら川の上空を旋回する白い大きな鳥が目に入った。コハクチョウだ。この春、残留組に加わった幼鳥の「さくら」か。最古参の「左助」は仁井田浦で孤独を楽しみ、「さくら」と一緒にいる2羽のうち「左吉」は左の翼を、「左七」は右の翼をけがしている。飛べそうなのは「さくら」しかいない。

堤防の上に立つと、目前の夏井川にコハクチョウが2羽いて、旋回中の1羽が着水するところだった。<幻覚ではないだろうな。今、確かにコハクが1羽、空を旋回していた>。ちょうど散歩している人がいたので、確かめる。

「今、飛んでましたよね」
「シラサギですか」
「いえ、ハクチョウです」

急いでコハクチョウがいる岸辺へ行くと、1羽の姿が見えない。「左吉」と「さくら」はなにごともなかったかのように浅瀬にいる。「左七」はどこだ。飛んだのが「左七」だとしたら近くにいるはずだが、姿がない。

①上流の中洲に「左七」がいれば、飛んだのは「さくら」②中洲に「左七」がいなければ、飛んだのは「左七」か「さくら」のどちらか③「左吉」と「さくら」がそのまま浅瀬にいたとしたら、飛んだのは「左七」――とりあえず、中洲にある「白い物体」を確かめなくてはならない。家へ戻って、車で堤防へ出た。

と、今度は3羽がそろっている=写真。「左七」がどこからか戻って来たのだ。中洲の「白い物体」が消えていれば、上流から「左七」が下って来たことになる。それを確かめに行く。「白い物体」は残っていた。ごみだった。

3羽がいる岸辺へ戻る。対岸のどこかでじゃんがら念仏踊りを練習しているのだろう。太鼓と鉦(かね)の音が聞こえて来た。「チャンカ、チャンカ…」を聞くうちに、だんだん頭が冷静になる。

飛んだのは「左七」? 1羽が飛んでいたとき、「左吉」と「さくら」は寄り添うように岸辺にいた。それは間違いない。「さくら」が着水して、大急ぎで「左吉」の所へ戻るような時間はなかった。いずれまた旋回するはずだから、そのときにちゃんと確かめればよい。新たな楽しみができた。

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