2011年11月3日木曜日
ミサゴ
早朝、夏井川の堤防を歩いていると、大きな鳥がこちらに向かってやって来た。アオサギ? 違う。顔が白い。胸も、腹も白い。ミサゴだ。ちょうど頭上に来たとき、カメラを向けた。が、ピントが合わない。通過しかけたところを一枚だけ撮った。いや、それしか撮れなかった。
河川敷にキジが姿を現す。チョウゲンボウがホバリングをしている。アオサギが水辺に舞い降りる。すかさず堤防の上から試し撮りをする。距離があるので、たいてい米粒程度にしか写らない。ミサゴもそうしてシャッターを押した。
ミサゴの写真を拡大する。と、やや中型の魚(口の形がコイに似ている。が、ボラかもしれない)をかかえていた=写真。右脚でえらのところを、左脚で腹のあたりをがっちりとつかんでいる。まるで爆弾を装着した戦闘機のようだ。少し上流で漁をしたあと、食事のためにお気に入りの場所へ飛んで行く途中だったのだろう。
2年前のちょうど今ごろ、やはりミサゴに遭遇した。河川敷のサイクリングロードを歩いていると、「バシャッ」という音がした。ミサゴが着水して魚をつかもうとしているところだった。魚が姿を現すまでには少し時間があったが、飛び上がるとあとは一気に上空へと舞い上がり、大きく旋回して山の陰に消えた。漁はそれだけで終わらなかった。
しばらくすると、また同じ場所にミサゴが現れた。同じ個体かどうかはわからない。が、同じように着水すると、魚をわしづかみにして飛び立った。
ミサゴは主に海で漁をする。たまに内陸部に現れる。夏井川では、ハクチョウの飛来する山崎(右岸)・塩(左岸)あたりがギリギリのところだろうか。
ミサゴを見て思い出した。同じ散歩コース内、国道6号常磐バイパス終点部、夏井川に架かる夏井川橋にはチョウゲンボウがすんでいて、橋げたによく止まっていたものだが、このごろはまったく姿を見ない。
3・11以後、河原でホバリングするチョウゲンボウを一、二度は見た。が、それは夏井川橋の“主”とは別の個体だったかもしれない。鳥といえども見慣れた“隣人”がいなくなるのは寂しいものだ。
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