2011年11月11日金曜日
手配書
おととい(11月9日)、山形県警の天童署刑事課から店(米店)に電話がかかってきた。天童市内で玄米600キロが盗まれた。飛び込みで売りに来た人間がいたり、「買ってくれないか」といった不審な電話があったりしたら、ご一報を――というものだった。ファクスで手配書が送られてきた=写真。
それによると、11月5日(土)から翌6日朝にかけて、天童市の輸送会社に保管されていた、検査済みの玄米(米沢市の農家が生産したコシヒカリ一等米)30キロ入り紙袋計20袋が盗まれた。
6日と7日には天童市内の米屋に「病院に行くのに金が必要だから、コシヒカリ20袋買ってくれないか」などといった、不審な電話があった。声の調子からすると30~40歳の男で、この男が犯人と思われる、としている。
山形がダメなら福島がある、福島はフクシマだからいくらでもコメが売れる――などと犯人は悪知恵をはたらかせるかもしれない。というわけで、警察が福島県内の米屋に捜査への協力を求めてきたのだろう。
ネットで山形新聞の記事を読む。玄米はトラックのコンテナに積んであった。日曜日朝、運転手が出発前に点検したところ、盗難に気づいた。たまたま運転手がコンテナにかぎをかけ忘れたすきをつかれた。刑事ではなくて泥棒が張り込んでいたか。
被害額は約16万円。10キロ換算では2670円ほどになる。わが店で売っている新米は、会津産コシヒカリが5キロで2470円。10キロだと、ざっと5000円だ。同じコシヒカリでも産地によって値段が異なる。
おてんとさまと、水と、農家の技と心がはぐくんだ実りをかすめとればバチ(罰)があたる。あたらないわけがない。夏井川渓谷の無量庵でタラの芽を盗みとられたことがある。そのときの怒りがよみがえる。生産者の思いを共有しないといけない。
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