2008年5月14日水曜日

山里のワサビ田


山里のとある森に知り合いの夫婦が住んでいる。ダンナは休日になると「ワサビ田」をつくるのに余念がない。

4月中旬、夏井川渓谷の無量庵でグータラしていたら、夫婦が採りたての葉ワサビと、茎を刻んで味をつけた「酒のつまみ」を持って来てくれた。ピリリとした辛さのなかに甘みが漂う「酒のつまみ」は、春だけのぜいたくな逸品。カミサンがつくり方を教わった。わが家へ帰ると早速、「酒のつまみ」が出た。

以来、「ワサビ田」が気になってしかたがない。で、先日、森の中の家を訪ねた。山道を車で駆け上がると、飼い犬が鳴き出し、家の下の雑木林からダンナが姿を現した。林の奥に「ワサビ田」がある=写真。前はミニ水田だった。

そのへんに大きな石がゴロゴロしている。畑を開くにも、林を整備するにも邪魔でしかたがなかった。それが、「ワサビ田」を作り始めてからは土留めに利用できる。作りかけの石垣を見てダンナの執念に舌を巻いた。石はいくらあっても足りないくらいだという。

家の周囲の森に手を入れてきた結果、そばの沢水は日照りにも枯れなくなった。それを利用しての「ワサビ田」だ。最初はほんの一握りのワサビだったのが、小流れに沿ってびっしりと生え、林の中へと続く「ワサビ田」(畳に換算して計15畳くらいか)を葉で覆うようになった。

「ワサビ田」づくりはまだ2年だが、なにやかにや森に働きかけるようになってから、相当の歳月がたつ。好きだから、ということだけでできることではない。

家のそばの沢は竹林になっている。イノシシがタケノコを掘った跡だという穴が生々しい。お土産にタケノコとクレソンと若いワサビの茎をもらった。

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