2009年11月27日金曜日

運転免許講習


運転免許の更新時期が来て、講習を受けた。前回も、今回も「ゴールド」。受講時間は30分だ。講師の言葉が身にしみた。道交法は5年前と同じではない。改正されている。「免許を取るときは勉強したでしょ。そのあと、勉強してますか」。優良運転者ほど勉強していない――そんなことを最初にガツンと言われた。でも、その通りだ。

講習会場の正面に、マークが四つ大写しになった。「初心者」(若葉)と「高齢者」(もみじ)のほかに、見慣れないものが二つ。大多数が「分からない」方に手を挙げた。私もそうだった。

一つはハートのかたちをした四つ葉のクローバー「身体障害者マーク」、もう一つはチョウのかたちに似せた耳「聴覚障害者マーク」。身体障害者マークは車の後ろに張ってあるのを時々みかける。車いすのマークから変わったのか。聴覚障害者マークは初めて見た。

運転免許更新の申請時に必要な手数料を払った。「交通安全協会に入るか」と言うので、「入る」と言ったら会費が必要になった。手数料しか用意しない人間もいるだろう。〈その旨、最初から書いとけよ〉と思った。ま、5年前にも、いや更新時に同じようなやりとりをしていることを忘れていたのだが。

そのとき渡されたものの一つに「交通の教則」がある。もらってもほとんど読んだことがなかった。勉強しない――ということを、講師は(交通警察官OBに違いないから、経験的に)知っている。統計的な分析の結果として、「ゴールド」免許の人間ほど事故を起こしているのだ。「教則に一度は目を通すこと」。で、読んだ。講師のいうことがよく分かった。

免許を取った20代のときとは、心身の状態が異なっている。動体視力が落ちる。決断力が衰える、つまりためらいが生じる。これは事故のもとだという。還暦を過ぎて、ときどき距離感や決断が鈍くなっている自分を反省する機会が増えた。要は、教則に帰れ――ということだ。

日常的な、わが行動範囲のなかの“主軸”は国道6号。もっとも手ごわい場所は平の中心市街地に向かって右折する鎌田交差点と、散歩の途次に横断するバイパス終点の交差点、そして信号のない横断歩道だ。

そこでヒヤリとするときがある。事故車を見るときがある=写真。横断歩道では、いまだに止まってくれる車がない。いつも信頼と不信をはかりにかけながら交差点を、横断歩道を通過する。

交通教則を車に常備することにした。交通死亡事故ほどむなしいものはない。無駄死にしないために、させないために、一呼吸おいてゆっくり行く――時々は教則を開いて戒めとしたい。

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