2009年11月30日月曜日
湯本温泉童謡祭
いわき市の常磐市民会館できのう(11月29日)、3回目の「湯本温泉童謡祭」が開かれた。去年1月、「野口雨情記念湯本温泉童謡館」がオープンした。長年の市民運動の結果だ。リーダーの一人、里見庫男さんが収集してきた雨情関連資料約1,400点を寄贈し、初代館長に就いた。
その里見さんが今年4月、亡くなった。童謡館オープンのめどが立って「童謡祭」を開催し、オープンしてはずみをつけ、さらに飛躍しようと考えていた3回目。里見さんのいない童謡祭は寂しい――そんな思いに襲われた。新型インフルエンザの影響で、小・中学生の出演がキャンセルになったことも、そうした思いに拍車をかけた。
でも、よくきめこまやかなプログラムを組み立てたものだ。雨情の童謡を「すずめの学校」のみなさんが披露し、湯本高校合唱部の女子生徒がアカペラで「赤とんぼ」などを歌った。
途中、出演者の一人、加藤ちゃぼさんが小・中生欠場による時間調整のために、急きょステージに現れ、「パーカッションで遊ぼう」と題して客席の老若男女を「リズム体操」に巻き込んだ=写真。これはよかった。みんなが乗って手を動かし、体を動かして笑った。
目玉は(と私が思っているだけか)、栃木県に住む雨情の孫の山登和美さんと、地元常磐・童謡のまちづくり市民会議の久頭見淑子さんによるトークショーだ。
山登さんが、途中から緊張がほぐれてくるのがよく分かった。全体の司会の女性の言葉にもあったが、「徹子の部屋」ならぬ「淑子の部屋」だった。満月のような久頭見さんの人柄が山登さんの気持ちをほぐしたのだろう。これまで知られていなかった雨情のエピソードなどが分かってよかった。里見さんの遺志は立派に引き継がれている。
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