2009年11月28日土曜日

「ペール・ギュント組曲」


またまた「北欧もの」で恐縮だが、いわき総合図書館のCDコーナーを眺めたら、ノルウェーの作曲家グリーグの「ペール・ギュント組曲」があるではないか。

グリーグは、9月下旬に北欧を旅して以来、気になる人間の一人になった。CDコーナーをチェックしていたが、それらしいものはなかった。誰かが借りていたのだろう。で、ないかもしれないが、と思いつつ見ると、目に入った。早速、借りて聴いた。

「朝」は、前にも書いたが耳になじんでいる曲だ。クラシックを聴くが、クラシックファンとは言えない人間なので、タイトルとメロディーが一致しない。ましてや、グリーグなる作曲家がいることさえ知らなかった。なんて華麗なメロディーなんだ、なんてきらきらしているんだ――それが最初の印象だ。グリーグが少し、体に入ってきた。

旅から帰って以来、北欧の話のなかでグリーグに触れると、「『朝』がいいですね」という人間が結構いる。「朝」は、日本人にも広く浸透しているのだ。そのつど、ノルウェーで見た「グリーグの家」と、そのそば、湖の近くにある作曲のための仕事部屋(五浦海岸にある岡倉天心の六角堂を連想した)へ下りる坂道の途中にある銅像=写真=が思い浮かんだ。

CDを借りたのがおととい(11月26日)。27日朝にはNHKハイビジョンが、再放送だが「世界ふれあい街歩き」でストックホルムをやっていた。同じ日の夜はツウェルビの「古城のまなざし」が、フィンランドを含む北欧4カ国の古城を紹介していた。カミサンは「北欧の番組が多いね」というが、こちらが意識して番組を選んでいるからそう感じるのだ。

北欧関連の新聞記事はほとんどお目にかからない。テレビのニュースもない。オリンピックで東京が落選した――コペンハーゲン発のニュースが10月初めに届いた程度で、日本の北欧に関する意識(むろん、私もそうだが)は低い。が、北欧体験以後は、意識が変わった。気をつけるといろいろ見えてくるものがある。

ついでに言えば、世界はその人間が意識したものしか見えないようにできている。朝晩の散歩もそうだ。見たり聞いたりしているものは、鳥・花・木・空・川など、意識しているから見たり聞いたりできるものばかり。石ころに何千万、何億年の歴史がある、などとは地質学に関心が薄いので思いが至らない。その伝で、北欧関連のテレビ番組がよく見えるようになったわけだ。

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