2010年5月16日日曜日

壺が裂けた


夏井川渓谷の無量庵は移築後40年余になるだろうか。義父が平の街中にあった家を譲り受け、解体して復元した。屋根瓦が古くなって表面のコーティングが消え、放置すれば雨漏りが始まるので何年か前に瓦をふき替えた。雨樋も一緒につくりかえた。

その雨樋がきちんと雨を受け止めてくれない。2カ所で濡れ縁に雨がこぼれる。板は腐食防止をしてあるとはいっても、じかに雨だれがはねるのは問題だ。雨だれ受けを置いた。細長いポリバケツと壺で、強風対策に重しを入れてある。

ポリバケツの方はしょっちゅう満ぱいになる。ポリバケツをそのまま傾ければ水は庭にまかれて土にしみ込む。壺はどうか。中の重しは砂利。ここへの雨だれはそう多くない。先日見たら、ようやく壺が水でいっぱいになっていた。

この水も地面にまいてやらなくては――。壺の口を持って傾けようとしたら、あれっ、底は抜けなかったが、斜めに二つに裂けた=写真。中の砂利が重すぎたのだろう。

壺は素焼きに近い。茶色っぽい。厚さも5ミリほどだ。カミサンに聞くと、仕事で知り合った人が引っ越す際、私が譲り受けたものの一つだった。忘れていた。実用というよりは見た目の形を重視した「飾り壺」だったのか。

裂けたからといって捨てる必要はない。雨だれのはね返りを吸収できればいいのだ。かえって壺の裂け目からたまった水がしみだす。壺の中はいつもからっぽ、ということになる。にしても、見事に裂けたものだ。

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