2010年5月13日木曜日

俳誌「浜通り」


いわき市に俳句結社を超えた俳人の集まり、「浜通り俳句協会」(結城良一会長ほか22人)がある。定期的に俳誌「浜通り」を発行している。発足は昭和44(1969)年。40年以上の歴史を誇る。2年前には俳誌が「いわき民報ふるさと出版文化賞」の優秀賞を受賞した。

会長の結城さんとは38年前、福島市への列車とバスの旅で知り合った。目的地が同じだった。私はまだ独身で23歳。結城さんも30代だったか。以来、何かあるときには連絡し合う間柄となった。年賀状も欠かさない。

俳誌「浜通り」は、現役のころは会社に届いたのを愛読していた。ありがたいことに、会社を辞めたあとは自宅に「浜通り」が届くようになった。同時に、「何か書いてくれ」という一筆箋も入っていた。

しばらく逡巡し、再度の要請に「書きましょう」となってからも、かなりの時間がたった。待つにも限度がある。堪忍袋の緒も切れるだろう――。いよいよ追い詰められたところでひらめいた。いわきの詩風土が花開いた大正~昭和期の「文献散歩」ならできそうだ。

というわけで、遅まきながら第136号=写真=から連載を始めた。題して「いわきの大正ロマン・昭和モダン――書物の森をめぐる旅」。1回目は「暮鳥とお隣さん」に絞り、この欄(1月28日付)で紹介したことを再構成して出稿した。それならなんとか連載できる、と踏んでのことである。ネットから紙媒体への逆流、ということもしてみたかった。

次号(137号)は6月10日、138号は9月10日――と一筆箋にあった。136号の発行日が月初めになっていることから、原稿締め切り日だろう。「浜通り」が届いたら間、髪をいれずに原稿を送る。2回目の原稿もそうして郵送した。俳句の門外漢だ、なんだかワンダーランドに船出したような気分を味わっている。

0 件のコメント: