2010年5月26日水曜日
ミミズの穴
無量庵(夏井川渓谷)の庭で体長30センチはあろうかという大ミミズに遭遇した。胴回りはボールペンをしのぐ太さだ。同程度の太さで20センチ前後のミミズはときどき畑で見かける。が、ここまで立派なミミズにはそうお目にかかれない。
庭にはノシバと名前の分からない草が生えている。ところどころコケが覆っている。そのノシバの上をくねくね動いていた。曇天、昼前の11時過ぎ。尾根には霧がかっている。日光を浴びて干からびるような危険性はないとしても、日中、地表へ這い出してこなくてはならないようなわけがあったのだろうか。
どこへ向かうのだろう。畑仕事(ネギ苗定植)も一段落ついたので、大ミミズの行方を観察することにした。大将は頭を振りふり、ノシバの間をゆっくり前進する。なにか土中へ入り込むためのすき間を探っている感じ。あっちへ首を伸ばし、こっちをちょんちょん探り、また前を目指す。
と、コケの前で止まった。ノシバとコケの間にすき間があるのを感じ取ったらしい。頭を突っ込むと、ぐいとコケを持ち上げた。さあ、それからは潜入するためのジグザグが続いた。
10分たち、20分たっても、体はまだ10センチ近く地表に出ている。潜入速度は「1分1センチ」といったところか。さらに10分たち、もう少しで尾が消えるという段になって、ハッとなった。〈写真を撮らなくては〉。慌ててコケの下に潜り込む寸前の尾を撮った=写真。
昔、新聞に「みみずのつぶやき」という小欄を持っていた。それで、ミミズにはいささか愛着がある。ミミズはこうして穴を探り、入り込むのか――。
無量庵ではいつも何か発見がある。
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