2015年11月30日月曜日

まずは「焼きネギ」

 日曜日の夜は刺し身と決めている。きのう(11月29日)、いつもの魚屋さんに行ったらタコがいいといわれた。ほかに、田村郡小野町の直売所で買ってきた曲がりネギを、カミサンが焼きネギにした。直売所で、そうするとうまいといわれたからだった。
「ザ!鉄腕!ダッシュ村‼」を見ながらグビッとやっていたら、青森「南部太ネギ」=写真=の焼きネギが出てきた。おいおい、そっちもか。「南部太ネギ」は農業高校生が復活に尽力したおかげで生き残り、栽培農家が増えた。見た目は白根が3分の1、あおい葉が3分の2.結構な長さだ。加熱すると甘く、やわらかい。葉には蜜(みつ=とろみ)があるという。とにかく太い。

 不思議なことに、栽培方法が台湾の「三星ネギ」に似ている。幅の広い高畝に黒いマルチフィルムを張り、いくつか穴をあけて(縦穴法といっていた)、ネギ苗を植える。白根がそんなに長くないのは、白根もあおい葉も食べるからだろう。畝の表面に藁を敷いたら、「三星ネギ」のようにもっと白根を長くできるのではないか、なんて思った。

 きのう(11月29日)、昼前、半月ぶりに夏井川渓谷の隠居へ出かけた。隠居から二つ手前の小集落・江田の道端に紅葉の季節、田村郡小野町のNさんが直売所を開く。もう終わったと思っていたが、仮囲いのパイプをばらし、撤収するために父親と来ていた。ついでに、とろろ芋とゴボウ、ニンジンを並べて売っていた。

「ネギは?」。前に母親と奥さんの2人が売っていたときと同じ質問をした。紅葉の時期、彼の直売所で曲がりネギを買う。1年に一度か二度の顔合わせだが、10年以上も通っていれば、訪ねた瞬間にネギを買いに来た客だとわかる。「すみません、(けさは)霜が降りてたもんで」。畑に入れなかったのだという。ゴボウとニンジンを買った。長い(畑の土はきめが細かくて深いのだろう)。

 そこへ、隠居のある集落の仲間のカットさんが奥さんと車でやって来た。とろろ芋を買ってそのまま頼んでおいたらしい。カットさんの血族がNさんの住む地域にいるかして、Nさんの家族をよく知っているらしかった。カットさんと私が知り合いだと知って、Nさんは驚いていた。(カットさんとは、正月の松のうちに新年会をやる話になった)

 曲がりネギを手に入れるには「小野町の直売所まで行くしかないか」。あっさりNさんは「そうです」という。隠居で一休みしたら、どうしても「曲がりネギ」を手に入れたくなった。「時間が……」と渋るカミサンを車に乗せて夏井川沿いの県道を駆け上がり、「おのげんき会」の農産物直売所へ行ったら、曲がりネギがあった。

 レジの女性に曲がりネギについて質問した。「郡山市産」とあるから「阿久津のネギか」と聞けば、「阿久津ではない。でも、私は阿久津生まれ。阿久津曲がりネギを知ってるんですか」と逆に聞かれたので、少しネギの話をした。

 ネギにとりつかれた人間としては、「阿久津のネギではないのなら、どこのネギか」となる。郡山の「田母神(たもがみ)」だという。阿武隈川沿いの阿久津よりは南の、平田村寄りの地区だ。生産者の名前がラベルに記されてある。いい野菜を作る人だという。(帰りは近くの小野ICから磐越道を利用した。ネギそのものは1束120円、高速料金はその10倍だった)
 
 さてさて、“田母神ネギ”を焼いて食べた感想をいえば、これは阿久津曲がりネギの親戚だ。甘く、やわらかく、とろみがある。ジャガイモとネギのみそ汁にして、自分の脳内に刷り込まれた味の記憶と比べて同じだとなれば、「阿久津」そのものといってよい。田母神は須賀川にも近い。そこで栽培されている「源吾ネギ」は、甘く、柔らかいが、とろみは阿久津ほどではなかったから。

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