2015年11月5日木曜日

カラスとサケ

 カラスは目ざとい。ごみネットから袋がはみ出していると、たちまちつついて生ごみをあさる。車にはねられて路上に横たわるタヌキ、ハクビシン、ネコ……にも、あっという間に群がる。ごみを散らかしながらもごみを減らす、やっかいな“隣人”だ。
 先日、用事があって、いつもの夏井川の堤防とは反対側の堤防を通った。サケのやな場直下、左岸砂地の岸辺にカラスが群がっていた=写真。中央にサケが横たわっている。晩秋恒例のカラスのレストラン。森のハシブトも里のハシボソもいる。まずは目玉、そして内臓? あちこちにサケが息絶えているので、ハシブトもハシボソも奪い合いをする必要がないのだろう。

 春、川に放流された稚魚は、早ければ4年後、北洋からふるさとの川へ戻ってくる。今、夏井川を遡上するサケにも、震災後に放流されたものがいるかもしれない。本能とはいえ、次世代に命をつなぐためだけに生まれ故郷へ帰ってくるサケには、なにか心打たれるものがある。

 そういえば、双葉郡楢葉町の木戸川では、震災で中断されていたサケの一本釣りが10月31日、11月1日の2日間、試験的に行われた。木戸川の水源は夏井川と同じ阿武隈高地の中央部。夏井川は大滝根の南東から、そして木戸川はその北の尖盛(とげのもり)・桧山あたりから発する。もともとはきょうだいの川だ。
 
 サケの回帰で思い出した。やな場に近い農家の庭に「四季咲きザクラ」がある。もう咲くか咲きだしたか、しているのではないか。それと、「いわきの綾小路きみまろ」こと、かつてのPTA仲間でもある「百笑溢喜(ひゃくしょういっき)」さんの、こんなジョーク。「魚で頭がいいのはサケではありません、メダカです。なぜって、メダカは学校に行ってるから」

 きょう(11月5日)は福島県議選の告示日。サケの回帰と同じく4年の改選期がきた。きのう、カミサンから「そろそろ白菜を漬けないと」といわれる。投票日の15日にはぬか床を眠らせ、最初の白菜漬けを食べられるようにしよう。おっと、それよりきょうは、わが地区では「燃やすごみの日」だ。カラスが狙っている。ごみネットを出さないと――。

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