2016年2月18日木曜日

教育文化講演会

 関係する平地区青少年育成組織の教育文化講演会がきのう(2月17日)、いわき市文化センターで開かれた。PTA役員とは別に、地域の「当て職」の義務として聴きに行った。
 気の乗らない会議も講演会もある。行政がらみの講演会は特にそうだ。動員確保のための案内が来る。それらの半分はパスする。つきあいきれない。今回はどちらかというと組織の勉強会のようなものだから、欠席するわけにはいかなかった。

 駐車場が込みそうなので、少し早めに出かける。が、同じように考える人が多いのか、すでに満パイだった。しかたがない。一番空いていそうな市庁舎南側の立体駐車場へ向かう。いい具合に2階の入り口そばに1台分だけ空いていた。

 幸先いいぞ! というより、こんなときにはどうでもいいことに感動して気分を転換する。重い足取りが少しは軽くなる。市役所東隣の平中央公園を斜めに横切った。ここでも、これで帰ってから散歩しないですむ、と自分に言い聞かせる。文化センターまで歩かされるのか――ではなく、街なかの自然を眺めるチャンス――だ。
 
 流れる池(水は止まっている)で2人のキューピット(銅像)が水瓶(みずがめ)を掲げている。「よっ、ポコチン君」胸の中で作者の故本多朝忠さんにあいさつしながら通り過ぎる。起伏のある枯れ芝のどこかにオオイヌノフグリが咲いていないものか。視野を大きく取ってゆっくり歩いていると、頭上に1羽、小鳥が現れた。
 
 シジュウカラ? いや、コゲラだった=写真。わりと近い距離から写真を撮ることができた。カメラを車に置いておくわけにはいかない、それだけの理由で手提げバッグに入れて持ち歩いていた。街なかでコゲラに出合い、パチリとやることができた。足取りがいっそう軽くなる。
 
 さて、本題。講演会では、筑波大の水野智美准教授が「心の強い子どもを育てる子育ての秘訣」と題して話した。子どものしかり方、親に求められる言行一致、モンスターペアレンツのだめな理由などを具体的に例示し、「失敗させて自分で考えさせる」ことで子どもは強くなる、とアドバイスした。
 
 聴講したのは、おおかたはPTA関係のお母さんたちだ。私も「孫育て」の参考になるぞ、これは――と、途中から頭を切り替えて聞き入った。
 
 テレビは上手に使えという。テレビのいい点は語彙(ごい)が豊富になること。ただし、見せっぱなしにしてはいけない。時間を決める。そのうえで、とこれは私に置き換えての話だが、孫が「水戸黄門」の再放送を見たとしたら、番組を利用して江戸時代について考える対話をしたらいい、ということだった。そうすることで「テレビを見る深さが深くなる」。なるほど。
 
 もうひとつ。NHKの朝ドラ「あさが来た」の主人公は思いたったらすぐ行動する、発達障害ですよ、という。ネットにもそれを肯定的にとらえるコメントがあった。主人公の「あさ」は、お転婆で落ち着きがなく、空気が読めない。なのに、特殊な能力(そろばん)で才能を発揮する――発達障害の成功例というとらえ方だった。なるほど、なるほど。
 
 本題に戻れば、親も(ジイバアも)失敗や弱点をさらけ出して、ゆるやかに子どもと接した方がいい、ときには演技(うなずく・ほめる、など)も必要だよ、ということだろう。このへんの言葉でいえば「おだてもっこにのせる」か。久しぶりにおもしろい講演を聴いた。

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