先日、知人から九州産のミカンをちょうだいした。小粒ながら甘い。毎日1~2個に抑えて、何日か季節の味を楽しんだ。
むいた皮は捨てない。一貫張りの小さなお盆に入れて陰干しをした=写真。干した皮は冬の白菜漬けの香りづけにする。
細かくちぎりながらも、皮と皮が重ならないようにする。重なると湿り気が抜けずにかびることがある。乾けばわきに寄せて、新しい皮を干す。
わが家では私が漬物担当だ。夏場は糠漬け、冬場は白菜漬け。1年をざっくり分けると、4~11月は糠漬けのカブやキュウリ、しめくくりがハヤトウリ。12~3月は白菜漬けを食卓に出す。
香りづけにはミカンの皮だけでなく、柿(かき)の皮も利用する。去年(2025年)は色づいて落ちた庭の渋柿を回収して、干し柿をつくった。
といっても、軒下に吊るすやり方ではない。皮をむいたあと、ざるに並べて2階の南側の窓辺に置いた。「置き干し柿」である。
傷ついたところがざるに接すると、くっついて実が崩れる。そうならないよう、毎朝、様子を見た。
倒れていれば立て、ざるを回転させながら、窓越しの光がまんべんなく当たるようにした。
師走に入ると、水分が抜けて表面が焦げ茶色になる。ここまでくると出来上がりだ。正月のいい食べ物になる。
むいた皮にはヒヨドリも近寄らない。軒下の台の上に新聞紙を広げて、そこに並べた。こちらは水分が抜けるのも早いので、すぐ白菜漬けに使える。
わが家の道路向かいの奥、故義伯父の家に甘柿がある。これも色づいて落下するようになった。
熟した甘柿は中身がトロトロしている。こちらはタッパーの中で皮と種を取り除き、崩れた実をスプーンでならしてから冷凍する。甘柿シャーベットである。やはり正月の食べ物にする。
先人の知恵を大事にしながら、手を抜けるところは抜く。「置き干し柿」はそれで成功した、と思っている。白菜漬けから派生した思案の結果と言ってもいい。
庭の渋柿は手の届かない高所に少し残っているだけだ。こちらは採るのをあきらめ、きょう、故義伯父の家の甘柿を収穫する。
あとは鷹の爪(唐辛子)である。これは毎年、夏井川渓谷の隠居で栽培した。2株あれば十分だ。
花を咲かせ、実をつけ、赤く熟したのを摘む。それを持ち帰って陰干しをする。つやつやに輝いていた赤が、乾いてしわしわの地味な赤に変わる。
白菜漬けに入れる鷹の爪はそれで確保できる。余れば、刻んで擦りつぶし、「一味」にする。
今はしかし、手抜きをして栽培を休んでいる。「真っ赤なかわいい鷹の爪ちゃん」。栽培していれば軽口も出るが、ここ何年かはスーパーなどから買ってすませている。
そして、白菜漬けに欠かせないのが、香りづけのユズの実。これはいつもお福分けにあずかる。
それを期待するわけにはいかないので、直売所にあれば買う。準備の最後が、このユズである。最初の白菜を漬ければ、まずは師走を迎える安心感に満たされる。
0 件のコメント:
コメントを投稿