2009年11月22日日曜日

事業仕分け


9月下旬に北欧を旅して以来、「高福祉高負担」がなぜかの地で定着したのか、理由を知りたくていわき総合図書館の本を漁っている。“中間報告”をきのう(11月21日)、いわき地域学會の市民講座でした。タイトルは「北欧見聞録」としたが、あとでしまったと思った。「見聞」はいいが、「録」ではなく、帰国してから本を読んで知った「読」、「見聞読」だ。

向こうに住んで働いている日本人女性の、堂々たる発言が耳に残っている。「高い税金を我慢できるのは『安心』があるから」。日本で政権交代が実現した直後だ。日本も、いや日本の国民もやっとそれに気がついた、と言わんばかりだ。これからは日本の政治にも期待できる――そんな見方に驚いた。自分の狭隘な考えを是正しないではいられなかった。

日本と違って税金の使われ方が明々白々、それだけのこと――というのが結論だ。すべてそうだとは言わないが、日本では税金の使い方が恣意的だった。不透明だった。利権がらみ、官僚まかせだった。

で、不透明・不公平・無駄――の批判を回避できなくなった。国民の安心・安全のために使われるべき税金がそうなっていなかった。彼らにまかせていたら、不安と怯えは払拭できない。極端なことをいえば、生存に対する危機感が広がった。そういう流れの中で自公民政治に国民は「ノー」を突き付けた、長い間に(馴らされて)ベターだと思っていたのが、そうではなかった――それを見抜いたのだと思う。

北欧との比較で言えば、まず税金の使い方を決める手続き、それが少し向こうに近づいた感じがする。公開された、透明な場での必要性を論じる「事業仕分け」に賛意を表したい。こういうやり方ができることが政権交代のダイナミズムだろう。

「子ども手当」の創設や「高校授業料無料化」などが論議されているが、むこうは大学の授業料も無料、児童手当も子どもの数によって増額される。高速道路は当然、無料=写真(ストックホルム市内と空港を結ぶ路線、対向車線は朝の通勤車両で混雑していた)――そんな具体例を知るにつけ、わが日本の新政権には「安心を保障した経済成長」をしっかりやってほしいと思う。

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