2010年6月16日水曜日

エゴノキの花


5月下旬から6月上旬にかけて、人に会ったり、しゃべったりする日が続いた。そこへ予期せぬことが重なった。時系列で書く単純さ、どういう団体かを説明しない短絡さをお許しあれ。

「ブッドレア会」総会の日、5月26日が始まりだった。いわき地域学會の3代目代表幹事氏家武夫さん(民俗学)の訃報を、総会直前に知った。30日通夜、31日告別式。本人の遺志として地域学會に寄付があった。ありがたかった。感謝状を贈り、弔辞を述べた。

その告別式の朝、氏家さんの通夜にも来ていた佐藤孝徳さん(歴史学=元地域学會副代表幹事)が亡くなった、という連絡を知人から受けた。〈タカノリさんが?〉。心が二転、三転、いや四転、五転した。地域学會最初の図書は、彼の聞き書き昔話集『昔あったんだっち』。校正を担当した。

それ以上にこの25年、いやその前からのつきあいだから、タカノリさんの死は衝撃的だった。6月3日通夜、4日告別式。神式の氏家さんの場合は「なおらい」、仏式のタカノリさんの場合は「精進落とし」。そこまでいた。

その合間やあとに地元の歩道側溝現地調査の立ち会いがあり、市民総ぐるみ清掃運動があり、さらに前から予定されていたおしゃべり(3回)や会議・打ち合わせ(3回)があって、きのう(6月15日)、やっと自分のコントロールできる時間が戻ってきた。

朝、夏井川渓谷の無量庵へ出かけた。カブを収穫し、三春ネギ苗の様子を見、今年初めて二ケタの実をつけるプルーン、やがてジャムにする高田梅の実のなり具合を見たほか、庭のコケの下にあるはずの「マメダンゴ」(ツチグリ幼菌)をチェックした。それはまだ手ごたえがなかった。

庭に白い花が散り敷かれてあった。見上げると、エゴノキが葉の下にいっぱい花をつけていた=写真。この二十日余り、内に向かっていた気持ちが無量庵へ来たことでほぐれ、エゴノキの花を見たことで晴れた。

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