2010年6月21日月曜日
高田梅
無量庵の庭に畑をつくり、一角に「高田梅」の苗木を2本、知人からもらって植えた。ずいぶん前のことだ。去年(2009年)はその「高田梅」が豊作だった。
一本は4年前の秋、台風にもまれて倒れた。根は半分むきだしになったが、まだ生きている。幹にコンクリートブロックを当てて支えにした。すると、横になった枝は空へ向かうようになった。
重力は宇宙と地球との間にできた垂直の川。川に対しては流れにまっすぐ向かって圧力を最小限にするしかない。曲がりネギは、あえてそれに逆らい、いやそれを利用して、人間が横に寝かせる「やとい」ということをする。地上部の葉はまっすぐに立ちながら成長する。負荷を与えて内部のストレスを甘みに替えるのだ。
高田梅は、カリカリ漬けのために植えた。が、そこは夏井川渓谷、虫の王国だ。きれいな肌をした梅の実には、まずお目にかかれない。梅漬けにするのはよしてジャムにしよう――去年ジャムをつくり、ごく少数の家に配ったら好評だった。「来年も待ってます」。忘れてくれりゃいいのにと思ったら、先日、小さな空き瓶がどっさり届いた。
梅の実は、人間が樹下に立って摘めるのが一番。枝が低く横に這うように思い切ってバッサバッサと剪定したのが3年前。それで、花芽まで切り落としたためにおととしはほとんど実がならなかった。去年は、その意味では2年分の豊作になった。
今年はどうか。昨年秋、かしいだ方の枝を剪定した。それもあって、こちらは収穫ゼロ。別の1本は思ったより収穫があった=写真。去年の半分、つまりジャムも半分程度はつくれるだろう。
こうなると、机に向かってやる仕事は半分、先送りするしかない。まずは梅ジャムづくりだ。今日(6月21日)と明日は梅の実のために過ごす。そうしないと、梅の実が駄目になる。頭ではなく、即物思考でいく、いつものように。
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