2010年6月8日火曜日

「種が欲しい」


5月中旬に、いわき市の「NPO法人シニア人財倶楽部」の総会が開かれた。代表理事とは、お互い現役のころからのつきあい。カミサンの同級生でもある。半分、浮世の義理で倶楽部の会員になった。総会でしゃべってくれというので、「週末は山里暮らし」というタイトルで1時間ほど話した。

15年前から、週末は夏井川渓谷の無量庵で過ごしている。行くたびに発見がある。集落で栽培されている「三春ネギ」をもらい、種を採り、栽培し、ルーツを調べている。種は秋まき。それまで種を冷蔵庫で保管する――そんな話をしたら、最後に質問があった。「もっと『三春ネギ』について教えてほしい」

なるほど。シニア人財倶楽部だから、第二の人生を送っている人がほとんど。ふだんは家庭菜園にいそしんでいる会員も少なくないのだろう。質問の主は、近所に住む旧知の元市役所幹部氏だった。シニア人財倶楽部員としては初の顔合わせ。終わって、「種が欲しい」となった。

こちらはOKだ。畑のスペースの関係で種が余るかもしれない。苗床に密生させるよりは、余った種を人にあげて、“自産自消”を楽しんでもらった方がいい。地ネギの復活だ。といっても、いわきの平地にあうかどうかは別問題だが。

間もなく、その種を採る。「三春ネギ」の“ネギボンコ(ネギ坊主)”=写真=が形成されて、花が終わりつつある。今年は開花が10日以上遅れた。

黒い種が顔をのぞかせたら、ネギボンコを切り、新聞紙を広げて種をたたき落とす。ネギボンコの数は多い。そうなるように、食べるのを少し我慢してネギを残した。分けられる量はそれで十分、採れるはずだ。

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