2010年6月13日日曜日
すずめの学校
野口雨情記念湯本温泉童謡館(いわき市常磐湯本町)できのう(6月12日)、童謡合唱団「すずめの学校」の例会が開かれた=写真。指導者の岡部林之助さん(83歳)が入院・手術し、退院した。復帰して最初の例会だ。
童謡館では6月1日から、「いわきの童謡作家展Ⅱ」として「草野比佐男展」が開かれている。草野比佐男さんが童謡を書いていると知ったのは、ほんの半月余前(5月26日)。
おととし、童謡館で草野さんのことをしゃべった。それを知っていた「すずめの学校」のリーダーが、例会に合わせて企画展にからんだ話を――となった。そのとき、草野さんが作品を載せている昭和30年前後の童謡雑誌を見せられた。その雑誌から彼の作品2編をメモして、しゃべるための材料にした。
草野さんの作品は省略する。私がしゃべったことも省略する。代わりに、「すずめの学校」の練習風景を書く。
復帰した岡部さんに花束が贈られた。「すずめの学校」の最年長会員?、間もなく90歳になるKさんにも花束が贈られた。詰めかけた仲間およそ30人が拍手で祝福した。ほとんどが60代から上の、わが人生の先輩たちだ。
その人たちが、岡部さんのオルガン演奏と声のリードで合唱の練習をする。少しの時間、片隅から練習を見た、いや聞いた。晴れて、汗ばむほどの陽気。でも、湿度はそう高くない。開け放たれたドアから外を見やった岡部さんが、緑と空の雲を目に止めたのか、「わかば」を、次に「白い雲」とかなんとかをやろう――と言った。
そのときの気分でやるのか、おもしろい。「わかば」を聞いて驚いた。人生の先輩たちの声とは思えないほど、若く、大きく、ハリがある。うたうことの、腹から声を出すことの効用、それは個人の健康と直結するものかもしれないが、それ以上に何かを生み出す共同作業のすばらしさを感じた。合唱とはそういう創造的な行為なのだ。
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