2011年6月28日火曜日

万本桜


「千本桜」ではない。「万本桜」だという。

――私たちは原発事故による「負の遺産」を未来の子どもたちに残してしまうことになった。ものすごい悲しさと悔しさを感じている。なんとかならないものか。春が来て、満開の桜の花を見て、思い立った。20年後、30年後の子どもたちに、山一面の桜を見てもらえるようにしよう。

「3・11」の前、平六小裏山のつづきの山で伐採作業が行われた。風景が一変した。あれあれ「因幡の白うさぎ」になってしまった。

そして、5月8日。その山で「いわき万本桜プロジェクト」最初の植樹が行われた。山の持ち主が“桜山”構想に賛同して土地を提供した。本人も提供者の一人である「ふるさとマルシェ」の団長ブログによれば、山の提供者は6人に増えた。

新聞記事になったので、わが住まいの近くですごいプロジェクトが始まったことは承知していた。6月上旬に、青少年育成市民会議平地区推進協議会神谷支部の役員会が神谷公民館で開かれた。私ら新役員にとっては初の会議の場だ。隣り合わせた同じ新役員さん(支部の事務局長)から、プロジェクトの動きを伝える印刷物をいただき、事業の詳細を知った。

運動の発案者が、冒頭のような「負の遺産」に触れ、桜植樹への思いを述べたあと、こうしめくくっている。「飛行機から見てもわかるくらいたくさんの思いを込めた木を植えたい」「まず近くの山から。一人、一人の記念樹として、一本、一本に参加してくれた人の名前をつけます。最終目標は99000本です」

おととい(6月26日)早朝、夏井川渓谷へ出かける途中、“桜山”を見た=写真。お昼ごろ帰ってきたら、山に人がいっぱいいる。団長ブログで、3回目はすでに6月初旬、団長の山で行われた。同じ山で、おととい、4回目の植樹が実施されたことを知る。

10万本ではなく、「千本桜」を差し引いた?9万9,000本というところがいい。完璧を目指すのではなく、破れ目がある。「美は乱調にあり」。30年後の「桜山」を天国からぜひ見てみたい。

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