2011年6月29日水曜日

心の絵地図


ある朝、小名浜・冷泉寺の「しんぼっち」(副住職)から電話が入った。いわき地域学會の幹事の一人である。「3・11」以来、ボランティア活動をしているのは新聞記事その他を通して承知していた。一種の、応援要請だった(私をダシにしたカミサンへの)。

田島伸二さんという国際識字文化センター代表が、事務局長でインド舞踊家の黒川妙子さんと、被災地でボランティア活動を展開している。「午前9時からは楢葉町の人たちのいる××で、午後6時からは広野町の人たちのいる××で」。午後6時からの、小名浜・天地閣での慰問をのぞくことにした。

天地閣のおかみさんのブログによれば、震災からの復旧がなった4月下旬、同じ小名浜の二つの旅亭とともに、広野町の人たちを受け入れた。天地閣には35人が避難している。二次避難だという。

紙芝居とインド舞踊が披露された。「おとなの紙芝居」というお触れが回っていたらしい。が、それは大人も楽しめる、普通の子どもの紙芝居だった。インド舞踊は踊りを単純化すれば、プロレスラーが練習のときに行うヒンズースクワットに還元される、そんな印象をもった。

そのあと、三つの班に分かれて心の「絵地図」づくりが行われた。田島・黒川さんから渡された小さな短冊5枚に、それぞれが思っていることを書き込む。それまで「お客さん」なのか、「スタッフ」なのか分からなかった私ら夫婦も広野の人たちに加わって、絵地図づくりを楽しんだ。

「家に帰りたい」「家族と一緒になりたい」「畑仕事をしたい」……。さまざまな思いが書き込まれた短冊を、大きな白い紙に仕分けしてのり付けし、囲むようにして絵をかいたら、原発の格納容器(逆さまにかかれた)のそばに民家ができた。「脱原発」「早く家に帰りたい」。わがグループは、そこに行きついた=写真

最後は、女性陣がインド舞踊の基本(じゃんがら念仏踊りの基本と同じではないか)を学び、“盆踊り”よろしく踊りの輪をつくって汗を流した。体が笑い、見ている人の心も笑い、喜んだ。

1 件のコメント:

しんぼっち さんのコメント...

心の絵地図の作成にご協力いただきまして、ありがとうございます。

タカじいさんの奥さまが、場に加わることにより、前向きな空気が生まれるので、お願いしてしまいました。「心の絵地図」の成功は、お二人のお陰です。

今でもあの絵地図は進化しているみたいですよ。