2011年12月15日木曜日

「光の鳥」が舞う


いわきの美術家吉田重信さんの「光の鳥」プロジェクトが、きょう、いわき駅前再開発ビル「ラトブ」2階の、被災者のための交流スペース「ぶらっと」でスタートする。きのう、その飾り付けが行われた=写真

夏に「いわきの農林水産業を応援しよう!がんばっぺいわきプロジェクト」の一環として、全世帯に3種類の絵はがきが配布された。その1種が吉田さんのデザインした「光の鳥」だった。「いわき市民のガンバル元気とありがとうからつながる未来へのメッセージ『光の鳥』を、皆で世界に飛ばしましょう!!」。そのときの吉田さんのメッセージである。

「光の鳥」は青い鳥と赤い鳥からなる。幼稚園や学校に絵はがきを持参し、子どもたちに自由に色やメッセージをかきこんでもらった。それらを回収し、展示したあとは郵便切手を張って投函する。自分あてでもかまわない。やがて知人や友人にメッセージをくわえた「光の鳥」が舞い込むという仕組みだ。

いわき市立美術館で開かれた「いま。つくりたいもの。つたえたいこと。」展でこの絵はがきを使った作品を見た。先日、東京で開かれた「Listen!いわき」にも「光の鳥」が展示された。が、展示するまでの過程がもっとも創造的な時間ではないのか――そう思って、「ぶらっと」に駆けつけた。一度彼の「創作過程」をのぞいてみたかったのだ。

吉田さんと「光の鳥」プロジェクト仲間2人のほか、「ぶらっと」のスタッフが休日返上で手伝った。絵はがきを壁に張る。あるいは天井からつるす。郵便切手を張る作業も並行して行われた。こちらを少し手伝った。きょうは1000枚余の「光の鳥」が「ぶらっと」の空間を飛びかっていることだろう。

「ぶらっと」を運営するのは「シャプラニール=市民による海外協力の会」。もともとバングラデシュとネパールで支援活動を展開している。その活動先の一つであるネパールからもおよそ50枚の「光の鳥」が届いた。福島県内のほか、東京などでも広くメッセージを募った結果、絵はがきは総計で4000枚に達したのではないか。

「ぶらっと」が最終展示になるという。21日までで、22日には投函される。ということは、「光の鳥」はクリスマスカードだったわけだ。

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