きのう(5月14日)の続き――。春先、白菜漬けが少なくなったのを見越して、糠漬けを再開した。白菜漬けは、わが家では冬限定の食べ物だ。春になると糠漬けに切り替える。
いつもの流れで最初はカブを、次いでキュウリを糠床に入れる。糠漬けを再開してから1カ月半。糠床は野菜の水分を吸収してだいぶこなれてきた。
カブは赤ちゃんのこぶし大だったのが、今では大人のこぶしくらいに肥大したのが出回っている。
食卓へ出すには素材の中身と大きさに合わせて、漬け方・切り方を工夫する必要がある。
小カブは根っこと葉の部分をカットし、根っこから縦に切れ目を入れて漬ける。大カブは同じ要領で縦に四等分したのを漬ける。
食べるときには薄切りにするが、大カブは薄切りのままでは食べにくい。さらに横から包丁を入れて一口サイズにする。
「これ大きいね」「これ厚いね」。食べてみて初めて、食べる人への配慮が足りなかったことに気づく。包丁を握るのは糠漬けだけの男の欠点ではある。
そんな糠漬けの日々だが、老夫婦2人だけでは、量はほんの少しでいい。とはいえ、キュウリやカブが途切れて糠床に何も入っていないときがある。
朝、あわてて冷蔵庫の野菜室を見たら、ぴったりのものがあった。忘れられてしなびた小さな大根だ。
これはいい、縦に割って天日に干す手間が省ける。少し傷んだ皮をピーラーでむき、適当な大きさにカットして糠床に入れた。
前に同じような大根を糠漬けにしたら、しんなりしてうまい「たくわん」ができた。食生活研究家でミュージシャンの魚柄仁之介さん(1956年~)の本を読んで知った「再生術」だ。
冬、たくわんをつくるときに大根を干すのと原理は同じで、水分が飛んでいる分、簡単に、しんなり漬かる。以来、大根については、魚柄流糠漬けを実践している。
キュウリは大根とは逆に、水分を保った新鮮なものを漬ける。水分が飛ぶと、中が綿のように白っぽくなる。こうなると、食べてもまずい。
しなびた大根は簡単に漬かる。24時間後に取り出して食卓に出すと、すぐなくなった=写真。
毎年のことながら、4月下旬~5月初旬にはタケノコのお福分けが続く。皮付き、皮なし(すでにゆであがっている)のどちらかだ。
煮物にしたり、お福分けをしたりしても余る。ゆであがったばかりの先端部分をカットして糠床に入れたら、いい感じだった。では、根元の方もやってみるか。
タケノコの歯ざわりを残しながら、温和な味に仕上がっていた。これもいける。
なんでもかんでもというわけにはいかない。今は庭からミョウガタケが採れる。これもサッと湯がいてから、切れ目をつけて糠床に入れた。味は、というより香りはきのうのブログで紹介した通りやさしかった。
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