2025年5月13日火曜日

5月の雨

 1年で一番爽快な月は5月。そう思い込んでいたのは、天気と気温と湿度がいいあんばいの日があるから、そして冬枯れた山野が若葉で彩られるからだろう。

 とはいえ、ずっと晴れてさわやかな日が続くかというと、そうでもない。けっこう雨が降る。

今年(2025年)の大型連休は、いわき市(小名浜)の場合、前半の4月28、29日と後半の5月2、3、6日と雨に見舞われた。

5月11日の日曜日に夏井川渓谷の隠居へ行った帰り、街で買い物をした。午後1時前後、交差点で信号待ちをしていると、体操着姿の子どもと保護者が前方を横切った。

そうか、運動会が雨で一日順延になったのだな。前日(土曜日)の雨と目の前の親子連れがつながった。

わが地区では、小学校の運動会は「スポーツフェスタ」という名称に変わった。今度の週末(5月17日)に予定されている。

ところが、天気予報はあまりよろしくない。雨の場合は翌日に順延される。繁華街の小学校同様、2週続けて順延の可能性が大きい。

5月はこんなに飛び飛びに雨が降ったっけ? 客観的な材料が欲しくて、ネットで検索すると、気象台のデータがヒットした。

それによると、小名浜の降水量の月別平均値(1991~2020年)は、最多が10月の193.1ミリ、次いで9月の192.3ミリだ。逆に少ないのは冬場の11、12、1、2月でいずれも2ケタ台である。

5月は146.1ミリ。梅雨期の6月は149.5ミリ、7月は160.7ミリだから、6月並みというところだろうか。

意外と雨が多い印象だ。5月は「晴れてさわやかな日が続く」というよりは、コロコロ天気が変わる、というのが現実のようだ。

草野心平の「五月」という短い詩にも影響されていた。4連13行のうち、最初と最後の連を紹介する。

「すこし落着いてくれよ五月。/ぼうっと人がたたずむように少し休んでくれよ五月。」。これが最初の連。

最後の連は「五月は樹木や花たちの溢れるとき。/小鳥たちの恋愛のとき。/雨とうっそうの夏になるまえのひととき五月よ。/落着き休み。/まんべんなく黒子(ほくろ)も足裏も見せてくれよ五月。」で終わる。

この詩人の直観と快晴の日が重なって、5月は爽快な月というイメージが出来上がったようだ。

雨天順延で運動会が行われた5月11日の日曜日は夜半に天気が崩れたらしく、12日は起きると雨だった。玄関前の木々の葉に雨滴が連なっていた=写真。

あとで心平について検索をかけたら、5月12日が誕生日だったことを知る。なんという偶然。

   それをことほぐ意味で、「五月」に1行を加えたくなった。「あんまり泣かないでくれよ五月」 

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