2025年5月9日金曜日

今度は白い猫が

                                 
   わが家の庭に白い猫=写真=が現れてから、まだ日が浅い。家の人間を警戒してか、距離を保ちながら庭にとどまっている、と思ったら……。

3年ほど前、不妊・去勢手術を受けて耳にV字の切れ込みのある「さくら猫」(キジトラ)が庭に現れた。カミサンがえさをやると次第に慣れて、縁側で休むようになった。

カミサンが段ボール箱を、そのあと「えじこ」(人間の乳幼児を座らせておくわら製の保育用具)をベッドにすると、そこで一夜を明かすようになった。やがて「ゴン」という名がついた。

 去年(2024年)春、ゴンのほかに黒白の「ハナクロ」が現れた。ゴンはすっかり私に慣れたが、ハナクロはいまだに私の姿を見ると、動きを止めて逃げる姿勢をとる。

それから1年、この3月には、「えじこ」にどこかの茶トラが入っていた。そのあとに現れた白猫だ。これも片耳にV字の切れ込みがある。狙いはゴンのえさだろう。

この白猫はどことなく「気品」がある。全身が真っ白で、あごのあたりは特に毛が長い。モフモフしている。系統的にはペルシャだろうか。

たまたま読んでいた本に猫のルーツに関する記述があった。山田政弘『絶望の生態学――軟弱なサルはいかにして最悪の「死神」になったか』(講談社、2023年)から抜粋する。

私たちに身近な猫は外来生物だという。猫は約1万年前、中東でヒトに飼いならされるようになり、その後、ヒトとともに世界中に広まった。

ツシマヤマネコなどは在来種だが、もともと猫は日本列島には生息していなかった。書物には8~9世紀ごろから登場する。遅くともこのころには猫が持ち込まれていたことがわかる。

 中東にルーツを持つから「気品」があるわけではない。おそらく気品をかもす猫が選抜されて、貴族のペットとして珍重されるようになった。そんな歴史と現実の白猫が結びついて、私の中でペルシャかもしれない、となったようだ。

 キジトラ、白黒、茶トラよりは体も大きい。その大きさに圧倒されるのか、ゴンは白猫が現れると隅っこで小さくなっている。

 カミサンは、ゴンとは別に、庭の一角にえさを用意した。えさは小皿に入っている。茶の間からは草に隠れて見えない。

ある朝、ガラス戸越しに見ると、白猫が盛んに草を食べている(ように感じられた)。

猫も草を食べるのか。そうだとしたら大発見だ。あとで庭を見ると、草ではなくキャットフードだった。

どうやらこの白猫はどこかの飼い猫らしい。早朝、私が起きて庭に出ると、放置された犬小屋に座り込んでえさを待っていた。えじこを占領していたときもある。しかも、えさ食べるとすぐ姿を消す。

かわいげがないというか、ほかの猫を、ヒトを何とも思わないような雰囲気がある。猫もそれぞれ性格が異なるらしい。

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