急斜面の倒木が増えた――。週1(日曜日)の夏井川渓谷通いで、ここ何年か実感していることである。
谷間を縫う県道小野四倉線の山側、それも道路から20メートルぐらいの高さまでに生えている「中木(ちゅうぼく)」(大木ではないが小木でもない)が、根から倒れて宙づりになり、あるいは落下して道路をふさぐことがある。
渓谷の県道は唯一の基幹道路だから、通行が遮断されるとたちまち生活に支障が出る。
このため、倒木が道路にかかったり、路上をふさいだりするとすぐ、地元の住民(あるいは道路管理者)が切断して車が通れるようにする。通行が再開されるまでにそう時間はかからない。
東日本大震災のとき以外は、日曜日に倒木や落石で引き返す羽目になった、という事態はまだない。
もともと「落石注意」の標識が立っているV字谷だ。急斜面にはコンクリート吹き付けがなされ、ワイヤネットが張られているところもある。
この県道を30年間通い続け、見続けている経験からいうと、急斜面の土石が風化して崩れ、それに連動して中木の根が不安定になり、落下ないし宙づりになる――そんな印象なのだが、むろん原因は素人にはわからない。
ワイヤネットに落石が詰まっている。ときにネットからはみ出して路上に転がっている。折れた木の幹や枝が道端に寄せられている。こんなことが近年、渓谷の常態になってきた。
さて――。夏至と重なった日曜日(6月21日)は、朝から雨だった。磐越東線江田駅前の小集落を過ぎ、次の小集落(椚平)を通ったところで、異変が目に入った。
道路わきの中木が倒れて道をふさいだ跡がある=写真。1週間前はなんともなかったところだ。
ここはわりと緩やかな斜面で、道路からすぐ上を線路が走っている。そこまでののり面はコンクリート吹き付けがなされており、周りに生えた中木が土石ごとずり落ち、倒れて道路をふさいだ。
倒木は路上の部分がすぐ切断されて谷側にどかされたらしく、通行に支障はなかった。
道の両側にはカラーコーンが置かれていた。ここにもまた、である。渓谷に入ってすぐ、落石を防ぐためのロックシェッドがある。そこを過ぎるとほどなくカラーコーンで通行の注意を促す狭い個所に出くわす。
いっとき護岸工事が始まったと思ったら、いつの間にか中断し、カラーコーンが置かれたままになった。
ほかにも倒木が崖の中腹に残っているところなど、数カ所に注意を促すカラーコーンが並んでいる
急カーブの先ではワイヤネットが道にせり出すように落石で膨らみ、その上に崩れ落ちた土砂がたまっているところもある。これは前にも書いたことだが、渓谷に入るとおのずと「そこにある危険」に敏感になる。
倒木・落石には近年の気候変動が影響しているのだろうか。やがて倒木につながる松枯れとナラ枯れも目に付くようになった。異変が顕在化してきた。山の「茶髪」を見るたびにそう思う。
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