2026年10月26日月曜日

コキアの実はとんぶり

                                              
   今春、わが家の庭の一角にカミサンがコキアのポット苗を2本植えた。隣の店の駐車場に並ぶコキアは丈が1メートルもあるが、こちらはラグビーボウルくらいの大きさしかない。

育ちはあまりよくなかったらしい。それでも、秋になって緑色から赤色に変わった=写真。

茨城県の国営ひたち海浜公園は、秋になるとこの草で赤く染まる。毎年、ニュースになる。それで数年前、「コキア」という名を知った。

庭のコキアが赤くなったのに刺激されて、周りを見渡すと、道路向かいの民家の入り口にも、赤く染まったコキアが2本ある。

こちらもわが家と同様、小さい。新築から間もないこともあり、緑地も若いために肥料が十分ではなかったのだろう。

コキアは今、流行の園芸種なのだろうか。この時期、車で行くと、ところどころで赤くなっている。

「コキア 赤い」で検索すると、意外なものにたどり着いた。カタカナなのでいかにも新しい外来種のように思えるが、和名は「ホウキギ」、あるいは「ホウキグサ」だ。

ホウキグサなら知っている。「とんぶり」、つまり「畑のキャビア」である。「実」だけをありがたがっていて、畑の、庭のホウキグサの姿には思いが至らなかった。

「キャビア」と「とんぶり」について書いた拙ブログ(2017年正月)がある。それを要約・再掲する。

――2016年夏、同級生とロシアのサハリン(樺太)島、シベリア大陸のウラジオストク・ナホトカを旅した。

そのとき、手のひらにのるくらいの小さなガラス容器に入ったキャビアを土産に買ってきた。高かった。それが正月の食べ物として食卓にのぼった。

トリュフ、フォアグラ、キャビア。世界三大珍味だというので、一度は口にしたいと思っていた。

キャビアと聞くと連想するのが「畑のキャビア」である。54年前、宮沢賢治の世界(小岩井農場など)に触れたくて、新婚旅行先を盛岡市に選んだ。

披露宴に岩手出身の画家松田松雄が出席した。翌日、訪ねた盛岡の画廊に松田がいた。

松田の案内で飲み屋街に繰り出し、フグ刺しをごちそうになった。そのあと、居酒屋「茶の間」に連れていってもらった。「とんぶり」を食べた。「畑のキャビア」である。

「畑のキャビア」はプチッとした食感だけが記憶に残っている。ロシア産のキャビアは? 塩漬けだから多少はしょっぱい。プチプチ感はある。うーん、それだけのような気もする。だから、美味ではなく珍味? 

私には、トリュフよりマメダンゴ(ツチグリ幼菌)、フォアグラより焼き鳥レバー、キャビアより数の子が向いている――。

わが家のコキアも「とんぶり」が採れる? ところが、である。そう簡単にはいかないようだ。

「とんぶり」までの加工が難しいことから、秋田県大館市だけで栽培・生産されているという。それで、色の変化は楽しめたが、食欲は急にしぼんだ。

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