2008年4月4日金曜日

いわきの新しい夜景


いわき駅前「ラトブ」の市立いわき総合図書館は、毎月最終月曜日が休館日だ。6階にある産業創造舘も同様で、図書館利用者としては、その日は朝から気が抜けたビールのようになってしまう。

その最終月曜日夜、「ラトブ」の3階で飲み会があった。まだ暗くなる前に「ラトブ」に入ったから、図書館が入居している4、5階の明かりがどうなっているかは分からなかったが、当然消灯されていただろう。とすれば、解体工事中のいわき駅ビル「ヤンヤン」と合わせ、駅前は西側半分が暗く感じられたはずである。

その逆が、図書館の開館日だ。平日は夜9時まで開いている。
ある日の夜、用事があって駅前を通った。闇の中で「ラトブ」の4、5階が煌々と輝いている=写真。その時の感動をどう表現したらいいだろう。

夜の森に迷い込んだ旅人の目の前に現れた光の館。あるいは、夜の海を漂うボートを迎えた光の母艦。ないしは、ノンベエに「おいで、おいで」と呼びかける巨大な誘蛾灯。

これはいわきの新しい夜景ではないか――そう直感的に思った。
新しいランドスケープ(景観)は夜景だけではない。「ラトブ」の4~6階から遠望する阿武隈の山並み、夕焼け、これにも人は目を奪われる。「ラトブ」の高さが新しい風景の視点場を提供するようになったのだ。オープン直後には三脚を立てて山に沈む夕日を写真に納める人がいたが、さもありなん、だ。

ペディストリアンデッキが完成すると、ストリートミュージシャンが「ラトブ」の夜景をバックに演奏する、なんてことがあるかもしれない。デッキはすると、デートスポットにもなるだろう。夏は夜景を生かしたイベントを――なんて、ついつい考えてしまうのだった。

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