2008年4月8日火曜日

ソメイヨシノと菜の花と


ふだんは早朝のわが散歩コースから眺めるだけのいわき市北部浄化センターだが(単に遠いので)、夏井川の堤防に沿って植えられた約60本のソメイヨシノの花がほぼ満開になった。堤外、つまり川に面した土手と高水敷には職員が種をまいた菜の花が、これまた満開だ。

土手の黄色と堤防の上のピンク色=写真=と、全長200~300メートルに及ぶ横長の風景画に、毎日その辺りを散歩している人はついつい吸い寄せられる。私もここ何日か、すっかり寄り道をするようになった。

晴れて穏やかな日曜日、6日の午後遅く――。その日は夏井川渓谷で朝を迎えたので、ソメイヨシノと菜の花に対面するのが夕方近くになった。

堤防に立つと、河川敷に人がいっぱいいる。
犬を連れて散歩する人、連れ立って歩く夫婦、自転車の少年、菜の花にカメラを向けている若者…。

休日にこれだけの人の往来を見るのは初めてだ。遠くから来た人もいるだろうが、おおかたは近所の人に違いない。近くに花がきれいなところがあるよ――。それで、足を運んだように思われる。私同様に。

浄化センターはその役目からして、近くにあっても市民の意識からは遠い存在だ。が、この季節は多くの市民が堤防や河川敷から花に目を向ける。そのために浄化センターの職員は花の世話をしている、といってもいい。

今日、8日は夜明け近くに風が強まり、雨がパラつき出した。傘をさしてまで散歩する勇気はない。「花散らし」の雨にならないといいのだが、そして今日はいわき芸術文化交流館「アリオス」の1次オープンの日だが、と思いつつ、

「たのしみは 空暖かに うち晴れし 春秋の日に 出(い)でありく時」(橘曙覧)

などと、しょうことなく口にしたりして朝を迎えた。

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