2008年10月25日土曜日

そして「さくら」は去った


週半ばの10月22日早朝、夏井川の残留コハクチョウはと見れば、1羽が減って3羽になっていた。今年の春、体力がなくて残留した「さくら」が飛来した仲間のもとへ去ったのだ。

今年の初飛来(10月16日)以後、北からやって来た1羽を加えて、5羽がいわき市北部浄化センター向かいで羽を休めていた。ここではMさんがえさをやる。しかし、鳥インフルエンザウイルスの感染を心配して、上流の平中平窪ではえさやりを中止した。

平塩の越冬地にも、近くのサケのやな場直下、平中神谷字調練場の砂州にも、コハクチョウは姿を見せる。が、どうにも今年は落ち着かない。22日には、30羽ほどが調練場にいたが、すぐ15羽ほどが、次いで4羽が飛び立ち=写真、旋回してどこかへ消えた。

体力がついてときどき飛ぶ姿が目撃されていた「さくら」は、合流した1羽に誘われるようにして仲間に加わったのだろう。いわきにいるか、いわきを離れて南下したか。群れの中ではまぎれてもう分からない。

「左助」「左吉」「左七」、そして「さくら」の4羽だけになったのは4月初旬。以来、200日近くを4羽が一緒に過ごした。「左助」はときどき群れを離れてはMさんに連れ戻されていたが、「さくら」は暑い夏も、大水の日も「左吉」「左七」に寄り添って離れなかった。

「さくら」はこうしてみると、仲間の飛来をじっと耐えていたのだろう。野生復帰はうれしいことだが、毎日えさをやり続けてきたMさんには寂しいことでもあるに違いない。ウオッチャーもしばらくは「1羽が欠けた」意識をぬぐえない。

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