2008年10月3日金曜日

アレチウリ繁殖


夏井川の堤防を散歩していて、土手に見たこともない植物が生えているのに気がついた。スイバやギシギシは子どものころから知っている。名前が分からなくとも前から目にしている植物もある。ところが秋口だったか、つる性植物が堤防のてっぺんまで這い上がっていて、「なんだこれは」と首をかしげたのだった。

葉の形はゴーヤーやキュウリに似る。ウリ科の植物である。カラスウリか。いや違う。何日か思いを巡らしているうちに、アレチウリではないか、そう思った。違いない。

前に図書館で河川の生物を調べたことがある。それによると、アレチウリは北米原産の1年生のつる性植物で、日本では1952年に静岡で発見されたのが最初。急激に分布域を拡大し、現在では全国的に見られる厄介な外来植物だという。特に、河川敷で分布が広がっている。

外来生物法(特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律)で規制されている侵略的な植物である。これらの生物を予防するには①入れない②捨てない③広げない――が大原則になる。ところが、現実はどうか。

夏井川の河川敷の「ニューカマー」をよく見ると、果実がトゲだらけといったアレチウリの特徴を示している。
                                       
昔からのつる性植物にクズやヤブガラシがある。それらも生えている。が、アレチウリはその上をいく。クズだろうが、ヤブガラシだろうが、その上を覆ってしまうのだ。クズもヤブガラシも全面展開ということはない。が、アレチウリは一帯を全面的に覆ってしまう=写真

アレチウリの繁茂しやすいところと、そうでないところははっきりしている。一言でいえば、草刈りの有無である。手をかけている土手にはアレチウリは生えない。生えても刈られるから目立たない。が、放置された河川敷ではセイタカアワダチソウが占領してしまうように、在来の植物をグリーンシートで覆ってしまう。                  
ハナモモと思われる木はアレチウリの枯れ草に覆われて葉があらかた落ちた。 この葉のシートが日光を遮断して下の植物を枯らす。アレチウリの最も厄介な点がこれだ。   
  
私が見た所は、下流の六十枚橋から上流の平神橋あたりまでのほんの一部にすぎない。アレチウリだらけになっている場所がある。実態調査と駆除が必要ではないか。

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