先週土曜日(10月18日)、双葉郡葛尾村へ行って来た。福島県中山間ふるさと事業「あぶくまの水源を歩こう――葛尾川源流(五十人山)散策と、間伐材を利用したクラフト」に、いわきから手を挙げた40人余の1人として参加した。全体の参加者はおよそ90人というから、半数がいわきの人間だったことになる。
常磐湯本町のSさんがまとめ役になり、自分の経営する旅館のマイクロバス2台を提供した。去年も同じようなイベントがあって、やはり誘われて葛尾村へ出かけた。昼食付きのイベントに一銭もかけずに参加できる、というのがミソ。
今年は昼食におにぎり、お煮しめ、漬物、凍み餅のじゅうねん(エゴマ)餡などが振る舞われた。甘く香りのいいネギと豆腐のみそ汁がおいしかった。料理を担当したJAふたば女性部葛尾支部の関係者に聞くと、「ただのネギだ」という答え。昔からの地ネギに違いない。売っている店はないかと聞けば、「はて」。自家消費用の生産にとどまっているのか。
阿武隈高地は分水嶺の東側で太平洋へと一気に駆け下る。そのため、浜通りの市町村にはそれぞれV字谷が展開する。いわきで言えば夏井川渓谷、双葉郡なら木戸川渓谷、高瀬川渓谷などだ。双葉郡の西隣、現田村市常葉町で生まれ育ったとはいえ、双葉郡は分水嶺の向こう側の世界、どこをどの川が流れているのかは今もよく分からない。
今回のイベントでは、そのへんをはっきりさせたい思いがあった。阿武隈高地を奥の奥まで分け入って、この目で確かめたい――機会があれば足を向けるようにしているのは、そのためだ。
木戸川はいわき市小川町の戸渡(とわだ)が源流、国道288号(都路街道)沿いの渓流は熊川。江戸時代、磐城平藩と相馬藩の境はこの熊川だった。葛尾川は浪江町に入って高瀬川となり、河口近くで請戸川(泉田川)に合流する。葛尾川も、請戸川も地図で見る限り、水源は旧岩代町を吸収した二本松市の日山(標高1,055メートル)のようである。
五十人山は、いわば葛尾川支流の水源。ふもとの「みどりの里ふれあい館」を集合・昼食・木工・解散場所にして、四合目にある水源を目指した。散策とはいっても山登りには変わりない。いわき組はウオーキングスタイルがほとんどで、急遽、木の枝をつえ代わりにえっちらおっちら歩を進めた。およそ10人ごとに「森の案内人」が付いて、いろいろ説明してくれる。
水源近くに直径60センチほどのブナの木があった。若くはないが大木ではない。案内人に勧められて、参加者が次々とブナの幹を抱きしめ、耳を当てた=写真。水源は杉林の中にあった。ちょろちょろ水音がする。知り合いの女性が俳句のようなものを詠んだ。中七の「水の産声」がしゃれていた。
帰路は登山道そばの雑木林に入ってキノコ採り、といっても今年はとっくに出終わったという。クリタケを3個採った。毒キノコもない。あきらめてすぐ登山道へ戻る。
昼食の後で磐城森林管理署長の講話を聴いた。水田用に張り巡らされている農業用水路と同様、森林も関係者だけでは維持管理が難しくなっている。地域住民も参加して地域の森林や用水路を守っていこう――そういう機運を盛り上げたい、ということだろう。
そのためには現実を見て、知って、理解し、できれば少し手を貸してもらいたい、という目的のイベントと受け止めた。
常磐湯本町のSさんがまとめ役になり、自分の経営する旅館のマイクロバス2台を提供した。去年も同じようなイベントがあって、やはり誘われて葛尾村へ出かけた。昼食付きのイベントに一銭もかけずに参加できる、というのがミソ。
今年は昼食におにぎり、お煮しめ、漬物、凍み餅のじゅうねん(エゴマ)餡などが振る舞われた。甘く香りのいいネギと豆腐のみそ汁がおいしかった。料理を担当したJAふたば女性部葛尾支部の関係者に聞くと、「ただのネギだ」という答え。昔からの地ネギに違いない。売っている店はないかと聞けば、「はて」。自家消費用の生産にとどまっているのか。
阿武隈高地は分水嶺の東側で太平洋へと一気に駆け下る。そのため、浜通りの市町村にはそれぞれV字谷が展開する。いわきで言えば夏井川渓谷、双葉郡なら木戸川渓谷、高瀬川渓谷などだ。双葉郡の西隣、現田村市常葉町で生まれ育ったとはいえ、双葉郡は分水嶺の向こう側の世界、どこをどの川が流れているのかは今もよく分からない。
今回のイベントでは、そのへんをはっきりさせたい思いがあった。阿武隈高地を奥の奥まで分け入って、この目で確かめたい――機会があれば足を向けるようにしているのは、そのためだ。
木戸川はいわき市小川町の戸渡(とわだ)が源流、国道288号(都路街道)沿いの渓流は熊川。江戸時代、磐城平藩と相馬藩の境はこの熊川だった。葛尾川は浪江町に入って高瀬川となり、河口近くで請戸川(泉田川)に合流する。葛尾川も、請戸川も地図で見る限り、水源は旧岩代町を吸収した二本松市の日山(標高1,055メートル)のようである。
五十人山は、いわば葛尾川支流の水源。ふもとの「みどりの里ふれあい館」を集合・昼食・木工・解散場所にして、四合目にある水源を目指した。散策とはいっても山登りには変わりない。いわき組はウオーキングスタイルがほとんどで、急遽、木の枝をつえ代わりにえっちらおっちら歩を進めた。およそ10人ごとに「森の案内人」が付いて、いろいろ説明してくれる。
水源近くに直径60センチほどのブナの木があった。若くはないが大木ではない。案内人に勧められて、参加者が次々とブナの幹を抱きしめ、耳を当てた=写真。水源は杉林の中にあった。ちょろちょろ水音がする。知り合いの女性が俳句のようなものを詠んだ。中七の「水の産声」がしゃれていた。
帰路は登山道そばの雑木林に入ってキノコ採り、といっても今年はとっくに出終わったという。クリタケを3個採った。毒キノコもない。あきらめてすぐ登山道へ戻る。
昼食の後で磐城森林管理署長の講話を聴いた。水田用に張り巡らされている農業用水路と同様、森林も関係者だけでは維持管理が難しくなっている。地域住民も参加して地域の森林や用水路を守っていこう――そういう機運を盛り上げたい、ということだろう。
そのためには現実を見て、知って、理解し、できれば少し手を貸してもらいたい、という目的のイベントと受け止めた。
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