2010年3月14日日曜日

久之浜のカモメ


いわき市の北端、久之浜は漁業と農林業の町。大久川が太平洋に注ぐあたり、右岸は平地に、左岸は崖に住家が密集している。河口部に両地区をつなぐ橋が架かっている。崖の陰に漁港がある。しかし、私のようなよそ者は用事でもない限りこの橋を渡ることはない。

初日の出の名所・波立海岸を久之浜の「玄関口」とすれば、住家が密集しているあたりの海岸は「勝手口」だ。「玄関口」から眺めると、南から北へとゆるやかに海岸が湾曲し、突き出た崖を背景にして住家と溶け合っている。

その逆、橋を渡ってすぐの崖の中腹から海岸を眺めた。用事があるカミサンを送り届けてヒマができたのだ。眼下には砂で埋まり、細々と太平洋に注ぐ大久川がある。波立へと南に伸びる海岸はコンクリートで何段にも守られている。やや離れた沖には波消しブロックが伸びている。高潮対策の結果、そうした人工的な景観が形成された。

河口の砂浜にカモメたちが羽を休めていた。大型のカモメだ。用事が済んで帰るために橋を渡ろうとしたら、1羽が欄干に止まって盛んに鳴いている=写真。至近距離から写真に撮った。

黒っぽい背中、黄色いくちばしに赤い斑点、桃色の脚。図鑑に当たったら、オオセグロカモメらしかった。頭が白くなっている。早くも夏羽に換わったのだろう。

「いわき市の鳥」は「かもめ」。カモメの仲間には何種類かあり、カモメだけに限定するわけにはいかないため、一般名としての平仮名「かもめ」にした。戸澤章著『いわきの鳥』の観察個体数からいうと、いわきで一番多いカモメの仲間はウミネコ。次いで、セグロカモメ、オオセグロカモメ、ユリカモメ、カモメの順となる。

海岸部から遠く離れた平の旧国道沿いに住む人間には、ヒトのそばにカモメのいる現実がちょっとイメージしにくい。久之浜の沿岸は漁業の町らしくカモメが当たり前の土地柄なのだろう。その延長で、去年秋、デンマークのコペンハーゲンで見たカモメが何という名前なのか、急に気になりだした。

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