2010年3月7日日曜日

猫の手


猫はしょっちゅう毛づくろいをする。えさを食べたあとはもちろん、庭から帰って来たあとや、2匹で寄り添っているときも……。

雌の「サクラ」は一日に何度も耳の後ろをかく。そのしぐさを見ていると、こちらがむずがゆくなってくる。雄の「レン」と「チャー」もやることは一緒だが、片足を高く上げて下腹部や付け根を舌でなめているときがある。大事な部分だから念入りなのは分かるが、少々ひわいに見えなくもない。

猫の毛づくろいには体を清潔に保つ、リラックスする、体温を調節するといった効用があるらしい。

ふだんは人間が夫婦二人だけの、静かな住環境。これも猫どもは気に入っている。こたつのなかで、カウチの上で丸まって寝ていることが多い。日だまりで丸くなるのは、人間同様、体内にビタミンDを合成する意味もあるという。

人間の子どもたちがやって来ると、これが一変する。「かわいいー」と声を張り上げながら猫に突進する。猫どもは一気にパニックになる。あっという間にどこかへ消える。

3月に入ったら、急にいろんな用事が押し寄せてくるようになった。書類記入、電話連絡、校正、アッシーくん。月並みな言い方だが「猫の手」を借りたい日がある。

その「猫の手」とくれば、「片足上げ」だ。今年の正月、こたつの反対側で「レン」が「片足上げ」をやっていた。テーブルの上に足が一本、ニョキッと突き出ている。爪まで見える。こういうときは、敵に対しては無防備状態なのだろう。シャッターチャンスなのですぐさまパチリとやった=写真

今思いついたが、猫の「片足上げ」はやがて「挙手」となり、商売繁盛の「招き猫」となったのではないか。

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