夏井川渓谷で1カ所、道沿いに植わってある杉の木の伐採が行われている=
写真。平地の平から行くと、JR磐越東線・磐城街道高崎踏切の先の地獄坂を越え、ロックシェッドを過ぎて、間もなくS字カーブにさしかかる、というあたり。道路は冬も夏も、秋も春も杉並木に日光が遮られてうす暗い。
夏井川渓谷には、谷側に何カ所か杉の植えられているところがある。籠場の滝のすぐ上流は、杉の木が伐採されて細長い駐車場に変わった。上流の大滝踏切手前のカーブにある杉の木も伐採されて見上げる空の領域が広がった。さらに上流、小野町との市境近くでも杉の木が伐採されたところがある。
一ドライバーの感覚でいうと、急に現れる杉林は視界を狭める。雪が降ったあとはアイスバーンになりやすい。渓谷ではなおさら、心理的な不安と物理的な危険度が増す。その“マイナス要因”が部分的に減るのだから、杉の木の伐採には大賛成だ。
本来、天然林だけの渓谷に人工林が点在している。民有地だから、どう利用しようと第三者は文句を言えない。が、景観面からは解せないものがある。
その人工林が、夏井川渓谷に限って言えば減る方向にある。減った分、渓谷らしい景観が戻ってくる。空が広くなる。明るくなる。気分が晴れやかになる。
そうなると、あそことあそこの杉林も――と調子に乗って指摘したくなるが、それはやめよう。冬は木々が葉を落として、道路にまで日光が注いでいる、それが夏井川渓谷の本来の姿だ。
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