2012年9月24日月曜日

秋彼岸


店内に流れるBGMが、なんだか勇ましいものに変わっていた。安売りを告げる“吊りチラシ”=写真=が目に入った。巨人のリーグ優勝を記念する「衣料品・住まいの品5%OFF」とあった。安売りはセリーグ優勝が決まった翌日から3日間、つまりきょう(9月
24日)までだ。BGMは巨人の球団歌「闘魂こめて」でもあったか。

イトーヨーカドー平店2階にある、被災者のための交流スペース「ぶらっと」で、きのう午後、ボランティアとスタッフが集まって情報紙「ぶらっと通信」10月号の発送準備作業をした。エスカレーターがすぐ近くにある。子どもの事故を防止するためのアナウンスがエンドレスで流れている。それに巨人の歌が、やはりエンドレスでかぶさった。

「ぶらっと通信」を三つ折りにする。封筒にあて名ラベルを張る。初日はそこまで。2日目のきょうは午後、封筒に「ぶらっと通信」を入れ、封をする作業が待っている。その数、およそ1400通。

おしゃべりしながらの作業になった。秋の彼岸を迎え、墓参りをしたスタッフがいる。私たちもきのう、雨のなか、カミサンの実家の墓参りをした。昨年の春と秋、今年の春と、墓石は倒れたままだった。3・11後、4回目の墓参りでようやく復旧した墓に線香を手向けることができた。

双葉町に一時帰宅したスタッフは、白い防護服を着て墓参りをした。墓も、家も、道路沿いの景色も、3・11のまま。ケータイで撮った写真を見せてもらった。家の内外の放射線量も測ったが、びっくりするほど高かった。家自体、雨漏りをして腐りつつある。とても住める状態ではないという。

用があって作業には参加しなかったボランティアも、楢葉町にあるお母さんの墓参りをした。やはり墓は手つかずの状態で、ご先祖様に申し訳ない気持ちになった。「事故多発 牛と衝突」と書かれた立て看に、別世界への入り口を感じたという。

巨人が早々とリーグ優勝を決めたなかでの、それぞれの秋彼岸だった。

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