「フレコンバッグ」というものがある。最近まで知らずに「大きな土嚢」と言ってきた。防波堤代わりの黒い土嚢がそれだ。青い色のものもある=写真。耐候性・防水性に優れているという。きのう(8月31日)夕方、川内の獏原人村・風見正博さんがわが家に卵を持って来たので、そのことも含めて少し話をした。
彼は「養鶏農家」だ。鶏を飼い、卵を売って暮らしている。彼が届ける卵を、3・11前も後も食べている。昨年5月初旬には、卵の入ったパックに放射性物質(核種)検査報告書が添えてあった。むろん、問題なしだ。それでも卵の購入をやめる人はいたという。
フレコンバッグを含めた話をしたのは、川内村が進めている民間住宅の除染作業について、当事者の感想を聞きたかったからだ。獏原人村で、彼が毎年実施している「満月祭」をネットで検索したら、彼のブログにたどり着いた。彼のところでも7~8月にかけて除染作業が行われた。
8月12日に小欄で書いたことだが、田村市常葉町の実家への行き帰りに川内村を通った。「民間住宅の除染作業をしています」という立て看に遭遇した。その立て看の先、山裾にある家とは道路をはさんで反対側の山裾に、青いフレコンバッグが置かれていた。写真がそれだ。中身は除去土だろう。
行きずりの人間の目ではなく、住んでいる人間から除染作業の様子を聴きたい――と思っていたら、格好の資料(ブログ)に出合った。彼は書く。
「宅地はバックホーで土を取ってフレコンバックとか言う青い大きな袋に入れる。1袋1万円以上するらしい。ドームの周り、お祭り広場、駐車場、何故かトタンで囲った畑やハウスのまわりなど200袋以上はとったんじゃないだろうか? そのあと砂を入れる」
「鶏小屋も建物なのでその周りも全部土取り。鶏小屋の周りは砂入れは断った。道には砂利を入れてくれるのでドームへの道も全部砂利が入った」
「田んぼや畑は別に農地としてやることになっている。これは自分でやれば1反3万円ぐらいにはなるとのことでとりあえず自分でやることに」
あらかた作業が進んだ段階で線量はだいぶ減ったという。家の外で0.2~0.25マイクロシーベルト/時、家の中で0.14マイクロシーベルト/時。
で、聞きたかったことは、汚染土の入ったフレコンバッグ(正式にはフレシキブル・コンテナ・バッグ)がどこに置かれたのかということ。「持って行った」。ということは、村のどこかに仮置場が設けられたのだ。
あとで検索したら、警戒区域内の下川内・鍋倉地区にある村有地が仮置場になった。地図や動画からは、人里離れた山中に設けられたという印象が強い。してみると、私の見たのは、そこへ運びこむ前の「仮〃置場」のフレコンバッグだったか。どこでもそうだが、仮置場が決まらなければ除染作業は進まない。
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