2012年9月29日土曜日

イノシシ出没


夏井川渓谷の牛小川は戸数10軒ほどの小集落だ。JR磐越東線に沿って幹線道路兼生活道路の県道小野四倉線が集落を貫く。無量庵はその県道沿いにある。木曜日(9月27日)に出かけたら、道路をはさんだ真向かいの土手が穴だらけになっていた=写真。丸い足跡があった。イノシシだ。

もともとイノシシが生息している山里ではある。森を巡れば、黒い碁石を大きくしたようなイノシシの糞に出合う。ミミズを求めて腐葉土をラッセルしたあともよく見かける。が、これだけ大きなラッセル痕は、春に江田の踏切近くで見て以来だ。もっとも江田の方は道路ののり面全体が穴だらけになっていた。被害範囲としては牛小川の4~5倍はあったろう。

イノシシは無量庵の庭に現れることもある。4年前には菜園の隅の土手がかなりほじくりかえされた。作物に被害はなかったが、近所ではジャガイモ畑が荒らされた。それで、侵入防止用のネットを高く張ったが、効果はどうだったか。

9月上旬に、牛小川から山を越えて三和町の直売所を訪ねた。店のオバサンとのやりとりを思い出した。「トラクターを動かしているそばで、イノシシが稲の穂を食べていんだって。そのうち、田んぼの真ん中でのたばり出したもんだから、トウチャン、頭にきた」

そこまでイノシシが人を恐れなくなったのにはわけがある。放射性セシウムが検出されるのでイノシシ狩りをする人が減った。里山が手入れされずに“奥山”化した。山にえさがなくなった――というのがオバサンたちの“診断”だ。クマが人里に現れるのも理由は同じだろう。会津地方ではとうとう死者が出た。イノシシも牙が凶器になる。要注意だ。

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