2009年3月10日火曜日

郡山市立美術館はどこに?


郡山市立美術館へは何度か行っている。いわきからだと国道49号が主なルートになる。帰りは昔の「岩城街道」(現国道349号)を利用することが多い。日曜日(3月8日)に夏井川渓谷(いわき市小川町)の無量庵から田村郡小野町へと川に沿って駆けのぼり、「岩城街道」へ出て美術館を目指した。

「岩城街道」はその昔、磐城平藩の城下町と郡山・須賀川・二本松・本宮、さらに奥の会津とを、小野・三春を中継ぎにして結んでいた。今の道路でいえば、国道49号(いわき市内)~国道349号(小野町・田村市)~県道(三春町・阿武隈川の渡しのある郡山市阿久津)だ。

郡山市の近く、三春町のはずれで国道288号へ出た。郡山市と太平洋側の双葉郡双葉町を結ぶ、阿武隈高地越えの重要幹線である。15歳までこの街道に面する田村市常葉町の町内で暮らした。郡山市へ出かけるときは船引駅から磐越東線を利用したが、バスで直行することもあった。少しは土地勘がある。それがマイナスに作用した。

阿武隈川を越さない、右に折れる――阿武隈川が見えると、橋のたもとの交差点を右折した。国道49号からの“残像”がそうさせたらしい。そのうえ、郡山駅の北の方からまっすぐ美術館へ向かって伸びている道路がある。その道路は駅北だから国道288号の北にあるはず――と思い込んでいた。

国道288号と阿武隈川に仕切られた富久山町、西田町界隈をグルグル巡っても、それらしい場所には出ない。30分ほど迷走を続けていると、早く美術館へ行って「布ものがたり」展を見たいカミサンが、「誰かに道を聞いてよ」と声を荒げた。暑くもないのに汗がにじんでくる。散歩している人に聞いたら、一瞬、気の毒そうな表情をした。ずっと先(南)の方だという。

三春から国道288号に入ったのだから、ほんとうは阿武隈川の手前を左折すべきだった。蒸気機関車(C58)を展示している「かんのや本店」前で左折してもいい。が、それはあとで分かったこと。「田村郡方面からの客には美術館は冷たい、『布ものがたり』展のチラシの地図も不親切だ」などとブツブツ言っているうちに、ようやく美術館に着いた=写真

「布ものがたり」展のチラシに載っている地図は字が極めて小さい。運転中、何度かカミサンに地図を見てくれるよう頼んだが、目がいいはずの彼女も字が小さくて読めないという。確かにそうだ。帰宅後、虫眼鏡で国道288号と磐越東線の小さな文字を発見した。肉眼でチェックできていれば、迷走することはなかったのに。

「布ものがたり」展などは特に年を重ねた人が見に行く。カミサンも勉強になったと喜んだ。が、地図が頼りの非郡山熟年市民には、このチラシは役に立たない。若い視力でコトを運ぶのではなく、団塊の世代以上の「花眼」にも思いを致すやさしさがほしい、どこの博物館(の学芸員)にも――老婆心と老爺心がそう言っていた。

1 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

はじめまして。
分かりにくいですよね。
私も、いわきから行き、新興住宅地の中(今ではそれすら定かでない)で迷い「偶然」到着しました。
子連れだったので、あせりました。