2010年2月2日火曜日

海岸の“砂風”


南風であれ西風であれ、風が吹き荒れると砂塵が舞い上がる。ある年の秋だった。強風が吹き荒れる平の市街地を車で走っていたら、国道6号沿いの旧平三小校庭から砂煙が舞い上がり、歩道も車道も砂だらけになっていた。街中で見る初めての“砂風”だった。

たまたまその現場に遭遇したから記憶が刻まれただけで、土のグラウンドはいずこも、風の日には“砂風”が乱舞するに違いない。

わが散歩コースの夏井川でも、先日、対岸の土砂除去工事現場でダンプカーの動きと合わせて砂塵が舞い狂った。強い南風が吹いて寒気がゆるんだ日だった。そのとき、1月初旬に見た四倉海岸の“砂風”を思い出した。

「道の駅よつくら港」のそばを境川が流れる。やや風が強かったが、砂煙が舞うほどではない。その河口近くで、三面舗装の川面に海岸の砂が放物線を描きながらなだれ込んでいた=写真。風が運んで来たのだ。まるで堰を越える川の流れのように、とめどなく砂が流入している。川底にはかなりの砂が堆積していた。

いわきの川はどういうわけか、河口で勢いをなくす。海の波におされて河口がふさがり、横へ横へと流れて海岸に平行する「横川」ができる。夏井川がその典型だ。仁井田川と横川で結ばれており、今や夏井川の河口は仁井田川だ。

河口がふさがるのは海の波の力もあるが、風も何十分の一かは影響しているのではないか。四倉海岸はいわきでも最大級の砂浜だ。その砂が絶えず風に吹かれて境川に流入する。初めてそれを見て、河口閉塞のメカニズムは単純ではないことを思い知った。むろん、それだけが原因ではないだろうが。

――けさ(2月2日)、2階から外を見ると、家々の屋根がうっすら雪をかぶっていた。宵のうちに雪が降り、すぐやんだらしく、道路には雪はなかった。これから雪の写真を取りに行く。

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