2010年2月18日木曜日

おかきと凍みもち


昭和30年前後といえば物心づいたころだ。小正月に「だんごさし」をして1週間ほどたったあと、そのだんご(もち)と、正月に飾ったもちをサイコロくらいの大きさになるまで砕き、油で揚げたのを食べた記憶がある。旧正月、つまり陰暦でそうしたことをやっていたように思う。

「おかき」というのだろうか。山里では冬場、サクサクして香ばしい最高のおやつだった。その「おかき」が、息子の嫁さんの実家から届いた=写真。ちょうどサイコロ大に揚げてある。サクサクしている。懐かしい食感だ。おやつはともかく、酒のつまみにはなる。焼酎を飲みながら、昔の味を楽しんだ。

「おかき」ができるのと同じころにつくられる「凍みもち」がある。春、夏、秋、いや1年を通して小腹がすいたときの「コジュウハン(小昼飯)」になる保存食だ。食べ方が少々面倒くさい。カチンカチンに乾いているので、水につけてやわらかくし、油でいためたのを醤油につけて食べる。あるいは水をふき取ったのを網渡しにのせて炭火で焼いて食べる。

子どもたちはそんなまどろっこしい食べ方はしなかった。水につけずに、硬いまま直接、火にあぶった。表面のあちこちがきつね色になれば、中まで熱が通った証拠。硬いことは硬いが、かむとカリッと砕ける。中に入っている「やまごんぼっぱ(オヤマボクチの葉)」の香りが広がる。粘りが食味を増す。

先日、いわき市三和町製の「凍みもち」を3個入手した。そのいわれは前に書いた。水につけてやわらかくして食べるのだと言われたが、私は自己流で食べたい。それで歯がぽろっといくこともないだろう、と思う。時期をはかって、我慢して、もういいかとなったときに食べる。それはやはり春がきてからだ。

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