2010年2月15日月曜日
除雪車出動
いわき地方がドカ雪に見舞われたのは、2月11日夕から12日未明にかけて。一夜明けると、街も山野も銀世界に変わっていた。
11日午後、みぞれが降るなかを夏井川渓谷の無量庵へ出かけた。台所をのぞくと、温水器が凍結・破損して水を噴き上げていた。すぐ揚水ポンプの電源を切り、ぬれた絨毯や足ふきマットを濡れ縁に出し、水浸しになった床をタオルケットでふいた。
と、一息つく間もなくみぞれが雪に変わった。漏水を止めただけよしとして、すぐ帰宅した。そのあと、どっさり雪が降ったのだ。そのことは12日に書いた。
さて――。14日・日曜日はどうしよう、道路が圧雪状態ならとても出かけられない。案じていたら、同じ夏井川渓谷の一角に実家のある知人が、「恐るおそる車で行ったら、雪はなかった。除雪車が出動した」という。
11日には台所の温水器だけに目を奪われて、外壁に取り付けてある風呂の給湯器にまで気が回らなかった。初夏、ヒーターのコンセントをはずしておいた。そのままなら凍結・破損していてもおかしくない。確かめる必要がある。
平地から夏井川渓谷へ向かうには「地獄坂」を通らなければならない。それが第一関門。次の関門は江田駅手前のS字カーブ。平地から除雪車が道端へと雪をかき分けて進んだために、車道はあらかた乾いていた=写真。関門も難なく通過できた。
無量庵の庭は雪で覆われていた。動物の足跡もなかった。すぐ、給湯器を確認する。コンセントが差しこんであった。ヒーターが作動している。給湯器の取り付け工事をしたガス屋さんがプロパンガスボンベを定期的にチェックしている。ついでに見てくれて差し込んだのだろう。職業柄、家主が忘れている例が多いのを知っているのだ、おそらく。
揚水ポンプの電源を切っていたから、水は出ない。隣家は、持ち主が解体して展望台にした。その一角に沢水を利用した蛇口がある。一年中、水が流れている。その水をやかんとポットにくんだ。昔は、水道管が凍結・破損すると、直るまでわが家から水をポリタンクに入れて運んだ。それをしなくてすむようになったのはありがたい。
水道工事業の友人は、緊急性が全くないと判断しているから、いつ直すとも言ってこない。こちらもいつか直ればいいと思っているので、催促はしない。とはいえ、いつまでも水道管を空気で満たしておくわけにはいかないだろう。そんなことを思い巡らしながら、春がどこかにきざしていないかと散歩した。
道端のモミは枝にいっぱい雪をのせ、しずくを道路に滴らせていた。1月には数輪ほど花を咲かせていたアセビも、すっかり凍えていた。冬に開花するハンノキの赤黒い花穂がいつものように垂れ下がっているばかり。渓谷に春が訪れるのはちょっと先のようだ。
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