2010年2月28日日曜日
野焼き
春雨は草木の慈雨だと言う。2月は雪で始まり、雨で終わる――例年になく大地は湿りを帯びた。そんな印象だ。庭に出ると、何の芽だろう、緑が萌えだしていた。
一週間前の日曜日だったか、夏井川の河川敷を覆っている枯れヨシに火が放たれた。地元の区、恒例の「野焼き」だ。堤防の土手もところどころ黒く焦げてきな臭いにおいが残っていた。この黒いじゅうたんにもやがて淡い緑が萌えだす。
ヨシ原は“半焼き”状態だ。そっくり枯れヨシが残ったところがある。すっかり焼き払われたところと、面積にして半々か。火の勢いが弱かったのだろう。散歩をしていると、もう一度火を入れてもいいのではないか、などと少し物申したい気持ちになる。
黒く焦げた大地が広がり、ヨシ原に住んでいた生き物が天敵の目につきやすくなった。ある朝、焼け残ったヤナギのこずえにずんぐりした体形のタカが止まっていた。顔が白っぽい。ノスリだ。
パッとこずえを離れると、土手近くの草むらに着地した。そこは黒く焦げている。何を見つけたのだろう。よく分からない。ギリギリ接近しながらカメラを構え、飛び立つところをカメラに収めた=写真。
ノスリは留鳥だが、夏井川の河川敷ではめったに見られない。北から南下して来たのがとどまっているのだろうか。前日、ずっと上流の夏井川渓谷でもノスリの姿を見た。翼の下部が白いのでそれと分かった。
シャッターチャンスは結構、身の周りに転がっている。物にできないのは、ウデが足りないのはもちろんだが、即座に反応できる「無想」の構えができていないからだ。満足のいく鳥の写真はまだ一枚もない。
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